昨日の午前中は稲城市施行の稲城長沼駅前区画整理事業について市民が意見を出し合うワークショップに行ってきました。今回のテーマはいちょう並木通りと川崎街道を繋ぐ幅員18メートルの市道の仕様をどうするか。特に問題となっていたのは、近年の自転車事故の激増状況を考慮し、歩車輪の分離をいかに行うかということです。
ここまでに市側がたたき台として作ったのは3案。
A:両側に植栽。歩輪分離はせず。大丸用水菅堀の分流(本流は地下埋設。本流を地上に出すと、スペースの関係上3面貼りにして流速を上げ、最大流量を稼がないと、大雨の際に溢れてしまうんだそうです)を東側に曲線的に入れて3メートル幅の親水空間を。
B:両側に植栽。東側の用水分流は1メートル幅でほぼ直線状にし、歩道と完全分離の自転車レーンを設ける。
C:東側のみ植栽。両側とも歩道と分離した自転車レーン。
私の入ったワーキンググループでは、歩輪分離の必要性を考慮して東西とも自転車レーンを整備し、東側の歩道や自転車レーンの幅を少し削って西側に回して植栽を作るという案が広い支持を集めました。植栽については流山のようなグリーンチェーンを導入してはという案も私から出しておきました。自転車レーンについては、両側とも欧米のように一方通行を徹底させて、対向車との事故を回避すべきという意見が私やお年寄りの参加者から出た一方、そこまでするのは日本では時期尚早との声も。菅掘分流については、3面貼りでは親水空間として萎えるので、せめて2面貼りにしてよという意見に賛同多数でした。
このほか、駐輪場が駅から比較的遠い場所にあるので、これでは買い物客は来ないという意見、駅前に買い物客用の短時間駐輪場を作ると朝の内に通勤通学自転車が殺到して使い物にならないという指摘、駅前のバスロータリーの地下に駐輪場を作れないかという意見など、自転車と上手に共存する街作りをどうすすめるかという議論が幅広く展開していました。ちなみに3つあったワーキンググループのうち、一つは歩輪分離するより植栽や水辺空間にスペースを使うべきという立場だったようです。もう一つのワーキンググループは新しい駅前道路の仕様についての細かい議論には至らなかったとのこと。
ちょっと驚いたのは、現在の道路構造例だと自転車専用レーンの幅員が1700ミリを基準にしていて、それ以下の、例えば1000ミリだと警察がクビを立てに振らないから、自治体が作りたくても作れないんだそうです。1700ミリも幅を取れば当然、右側通行で自転車専用レーンを逆走してくる自転車も現れますから、欧米のように1000ミリくらいで一通徹底が良いと思うんですけどね。車道に出して路上ペイントで自転車レーンを作るなら1000ミリでも可なんだそうですが、そうすると今度はただの違法駐車ゾーンになってしまうし、ポールを立てれば費用も嵩む(そもそも歩道より車道の方が高規格の舗装なので、その部分でも費用が・・・・)。
日本の都市部で道路に使えるスペースは限られていますから、幅員1000ミリの自転車専用レーンを道路構造例で可能として、一方通行徹底。これが、今後の街作りの望ましい方向性だと思うんですけどね。