一瞬だけ寒さの緩んだ先週末、ここぞとばかりに4日連続でせっせとロードレーサーに乗っていました。やはり適度な運動は体の調律を回復させてくれる気がしますね。「二本の足が最高の医者」なんて諺もどこぞの国にはあるそうで、つまり普段からしっかり歩いていれば、それだけで健康を維持しやすいんだってことですわね。
お医者さんに行く人が減れば、国のお財布にも個人のお財布にも優しいし、医療機器を動かすエネルギーだって減らせる。どう考えてもエコロジカルです。みなさん、適度な運動こそが言葉の真の意味での「ろはす」なんで、積極的に歩きましょうね。
さて。それでは、そういう日常生活の中のウォーキングやサイクリングからステップアップして、例えば日本百名山を順に登るとか、ホノルル・センチュリー・ライドに出るとか、そういうのはエコロジカルなのか?
大変申し訳ないんですが、そんなわきゃないね。ねえ?
例えばホノルル・センチュリー・ライドに出るんなら、成田から往復で12000kmを飛行機に乗っていかねばならぬ。その時に発生する二酸化炭素、どれくらいかわかりますか? 乗客1人あたりの排出二酸化炭素量は、4人乗車の車で同じ距離を走った時の倍。つまり車で24000km走った時と同じくらい二酸化炭素を出していると。2人乗車でとんとんとはいっても、常に2人乗車で月に1000kキロ乗って、それを1年続けたのと同じだけの二酸化炭素が、ホノルル・センチュリー・ライド参加でも排出されるわけです。電車で言うと240000kmだから、地球が6周出来るくらいの距離を乗ったのと同じくらいの二酸化炭素。
あるいは百名山ね。山は綺麗だし空気は美味しいとか言って、全国民が百名山制覇に挑戦したらどうなりますかね。すさまじいフィールドのオーバーユースだよね。
だからホノルル・センチュリー・ライドに行くなとか、どこぞの秘境にエクスペディションに行くなとか言いたいわけではないですよ。やりたいならやれば良い。そういう経験を通してしか得られないものも沢山あるに違いないですからね。ただ、エコという観点から言えば、大都市で電車通勤して休日は家の近所を散歩してビール舐めながらテレビでも見ている生活の方が、そういう筋金入りのアウトドア・マン生活より余程環境負荷が低いってことだけ、気にとめておいて良いんじゃないかな。
そう考えると、たまーに短い休暇を利用して軽いアウトドア・アクティヴィティをするくらいのトーシロも、筋金入りのアウトドア・マンに見下されたりバカにされたりするいわれは無いと思うんですが、どうでしょうかね?