あんまりおどろいたので、エリック・メッツガー博士にメールを出しました。「何かとんでも無いことになってますよ!」
メッツガー兄からはすぐに返事が参りました。そこには色々と興味深いことが書かれていました。かいつまんでご紹介しますと、まず今回のものに限らず、1990年代から2000年代にかけて行われたポゥの儀式は離島民たちの間でも賛否両論があるということ。
ポリネシア航海協会の英語ウェブログのトップページで紹介されていたメッツガー兄の文章は、1990年にラモトレック島でジーザス・ユルピイ師がポゥの儀式を復活させた際に書かれた文章でしたが、その時にユルピイ師が行ったポゥの儀式は4日間を要するものでした。しかし、それ以降開催されたポゥの儀式の(おそらく)全てはもっと短かったのだとか。そういう点で、これらのポゥの儀式の真正性に疑問符をつけている人も居るのだそうです。
ご存じのように、今回行われるポゥの儀式も2日間です。つまり簡略版。その点でやはり賛否両論はあるらしいですね。ハワイ人にポゥの儀式を行うという点について議論があるとはメッツガー兄は書いておられなかったので、焦点は儀式の手順なのかもしれません。
それと、実はナイノア氏がポゥの儀式をするしないという話は1980年代からあったのだということも教えてくださいました。ユルピイ師が40年ぶりにポゥの儀式を復活させるのが1990年ですから、それ以前に既にポゥの儀式というものが、ミクロネシアのみならずポリネシアにおいても意識されていたということになりますね。