アメリカにおける所得上位層の家庭出身の黒人男性の社会階層降下の割合が洒落にならない

アメリカでの大規模な調査の結果、大金持ちの家に育ったとしても、黒人男性は社会階層を降下していく可能性が白人男性より遥かに大きいということがわかったとか。
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(NYタイムズのスクショ。URLは下の方でリンク貼ってあります)
収入上位20%の世帯で育って、自分も同じ階層に留まれる白人男性は40%前後なのに対し、黒人男性は20%弱。
ちなみにヒスパニック系のパフォーマンスは白人とほぼ同じ。アジア系は白人よりも上(一度社会階層上昇を果たすと、そこに留まり続ける可能性は最も高い)。
収入上位1%(当然、年収は100万ドル以上)の世帯で育った黒人男性と、年間収入36000ドル程度の世帯で育った白人男性と、収監される率が変わらないとか。
その原因として社会学者たちは、黒人男性(児童含む)への根強い偏見の結果、彼らは恒常的にアメリカ社会から強いストレスを受け続けており、それが社会階層の降下を引き起こしているのではと指摘しています。
もう一つ面白い発見として、黒人男子児童と白人男子児童の学業成績が変わらないコミュニティがごく稀に見つかったそうなのですが、その理由(相関ではなく因果関係)として推測されるのは、そうしたコミュニティでは黒人男子児童の父親たちが数多くコミュニティ内で生活しており、我が子に限らず黒人男子児童たちのロールモデルやメンターとして影響力を発揮しているからではないか、とのこと。
えらく読み応えのある社会学的分析の記事でした。こんなのが普通に掲載されるNYタイムズ凄いな。