昨日くらいから「これからのマーケティングはストーリーで売る!」みたいなのがちらほら流れて来てるんですが、何ですかねこれは。
コンテクスチュアルな情報が消費財の売れ行きに大きな影響を与えるなんてことは、19世紀から知られていたわけで、この話のキモは、コンテクストによる販促を
「ストーリー」
というわかりやすいカタカナで見せたらバズったというところだけ、だと思います。
どんな製品にもちゃんと調べればそれなりに物語はありますし、それを表に出すことで売れることもそりゃあ事例としては幾つもあるでしょう。ヴィクトリノックスのナイフ、宇宙へ行ったオメガ・スピードマスター、マリリン・モンローの夜着代わりということになったシャネルNo.5。湾岸戦争でも壊れなかったEOS-1やGショック。数えきれませんよ。
ですが、大事なのは、コンテクスチュアルな情報以前にそのプロダクトが本当に優れていることだと私は考えます。一瞬流行って消えるようなストーリー商品なら、ホワイトバンドとか(憶えてます?)w ほっとけない、世界の貧しさですよ。何だったのあれ?
ヴィクトリノックスやシャネルやオメガはコンテクスチュアルなものを抜きにしても傑出したプロダクトだから生き残っているわけです。ホワイトバンドは違いました。
この「これからはストーリーで売る!」も、いつぞやのマイルドヤンキーと同じで、昔からあるものの外箱だけ変えて売る商法。儲かるのはコンサルだけなんじゃないかと予想しておきます。
ところで昨日の卒論ゼミの会話の白眉その2
私「学術論文の正しい書き方を学ぶと、ウソを見破れるようになる。例えば一つや二つの事例を論拠に全体を語るような論法を見て、即座にこれは怪しいと気づける。」
学生「ち○りんとかですか?」←即答だった