診察券デザインの真っ最中です。
今は個人クリニック向けに半製品の診察券デザインのストックを並べている専門のデザイン業者があって、それを軽くいじって完成です、というのも多いようですが、こちらはゼロからデザインを起こしています。
流れとしては、私がたたき台を作った上でクリニック立ち上げの関係者やスタッフ内定者の方々からの意見を出してもらい、院長先生のジャッジをもらいながら何度もリビジョンを繰り返してというものです。
何故そんなメンドクサイやり方なのか。
まず、クリニックの世界観がものすごくしっかり出来ているので、その一部を半製品で外注するというのが難しいんですね。
診察券専門業者さんのサイトを見て頂ければすぐにわかるんですが、我々が「小児科」って聞いてイメージするようなあの感じのデザインテンプレートはいくらでもあるんです。
小児科、幼稚園、保育園ならこんな感じですよね?
みたいなね。
別にそれはそれでニーズがあるから良いんですが、こちらの場合は小児科といいつつも対象年齢層が上にかなり伸びていて、中高生までメインのクリニック利用者さんということになります。
それに院長先生の専門もあってニューロダイバーシティへの配慮を普通のクリニックより遥かに大きく取っていく必要もあり。
その上でオペレーションもスムーズになるように、スタッフの方々の意見も反映させて、となると、半製品のカスタマイズよりフルスクラッチしてしまった方が良いでしょうと。
私が気をつけたポイントは
・字を大きめにする
・出来るだけひらがなにする
・バキバキに「デザイナーズ診察券です! 多摩美出てます!」という雰囲気の逆で、ちょいと泥臭い、田舎臭いトーンにする。
字を大きくして漢字を減らすのは書字障害への配慮です。田舎臭いトーンにしているのは、そもそもクリニックの世界観が「RPGの宿屋」なんで、田舎にあるもんなんですよね。
東京都心の高層ビルの中に入っているオシャレクリニックじゃないのです。クリニックのカラーコードも土、植物、花、空の色をベースに決めてますし。
更に院長先生のアイデアで年齢や性別欄は廃止、番号は「患者番号」や「受診者番号」ではなく「冒険者番号」!!
裏面の言葉遣いも保護者さんではなく子どもたちに直接話しかけるようなものにしています。
名前欄は「アルテイシア・ソム・ダイクン」の12文字が入るサイズにしてくれとの指示があったので、かなり大きめになりました(笑)