サイ・トゥオンブリー展に行ってきた

日付変わったばかりの昨日は原美術館にサイ・トゥオンブリー展を見に行きました。

サイ・トゥオンブリーは初めて見た作家ですが(高松宮殿下記念文化賞、ベネチア・ビエンナーレ金獅子賞、レジオン・ドヌールを受賞したトップクラスの現代アート作家)、1950年代の抽象表現主義から、手書き文字と抽象表現の組み合わせという独特のスタイルに進化していくプロセスが見えて、なるほどと。

いつも現代アート展にご一緒するベリーベリーキュートな教え子と例によって二人での鑑賞だったんですが、作品を前にして話し合いながら見られるというのは、自分一人では気づかない視点を得られるので有難いものです。今日も、例えば「アナバシス」という作品では、「アナバシス」とは何かという話から(古代ギリシアの従軍記です)、手書き文字と抽象表現の組み合わせをこの人は色々なやり方で追求してるよねという気付きになり、そういえば東アジアの画讃と同じ構造じゃないかこれはというところに出る。

こういうアート仲間は得難いものです。

夜はえーとえーと、上は2008基礎演習から下は2014写真文化論まで幅広い世代の教え子たちと、私とは違ってバリバリ仕事をしている同世代の畏友たちという、面白い異業種交流会に行って参りました。目の前に座っているおじさんが、規模もインパクトも異次元の仕事の話を当たり前のようにするのを聴いていた卒業3年目の二人の、呆然とした表情がとにかく印象に残りました(笑) 

私はといえば、場のあちこちをチョロチョロ動きまわっては話を掻き回して去っていく変なおじさん全開。稲城の仙崖とでも名乗ろうかな。

(↓仙崖の画讃)

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