就活は組織戦なので、親友とだけ情報交換していてはいけません。

2015卒の学生達の就活も佳境に入っておりますが、昨日久しぶりにとある教え子に「調子はどうだ?」と声をかけたら、案の定、色々と煮詰まっている様子。

今が一番きついゾーンですもんね。

意外だったのは、普段から就活について情報交換している仲間が二人くらいしか居ないということでした。無論、人により違いはあるでしょうが、これは現在の就活慣行の当否を越えたレベルでもったいないと思うので、以下のようなアドバイスを行いました。

私が指摘する問題点は二つです。

1) 少人数の仲間とだけ情報交換していては、収集出来る情報量が絶対的に少ないし、多様な視点や価値観による情報の検討も出来ない。

2) 勝つ為に手を組まなければいけない、さほど親しくない知人とのコミュニケーションのスキルがアップしない

一つ目は単純に戦力の多寡の問題です。今の就活は組織戦で挑む方が絶対に有利なので、6人くらいでアライアンスを組んで戦うことを薦めます。それも出来れば志望業界ごとに、金融方面を受ける仲間6人組、メーカー志望の仲間6人組etcというように、複数のチームを形成すべきでしょう。

二つ目は、より本質的な話です。

親友とも言えるような気心の知れた人間「以外」と力を合わせて課題解決に挑むというのは、現代社会において仕事をする上での基本スキルかと思います。

その為には、定期的なコンタクトや適切なコミュニケーションをお互いに心がけなければいけません。好き嫌いだけで人間関係の多くを処理出来る文系の学生にとっては、これは「めんどくさい」ことと想像します。ですが、これもまた価値を生み出すための基礎スキルなんです。

わかりやすい例で言えば、営業です。優秀な営業マン/ウーマンは、これといった用が無くても取引先に定期的に顔を出してコミュニケーションすることの重要性を知っています。雰囲気がいつもと違っていれば、会社が傾いているとか、競合他社に仕事を取られかけているといった予兆だそうです。

あるいは既に定説になりつつある経営学の命題ですが、ビジネスにおいて有益な情報は、親友ではなく「ちょっと親しい程度の知り合い」からもたらされることの方が多いというものもあります。あまりにも近くに居る友人達は、そもそも接する情報も同じようなものなので、情報入手経路としてはあまり役に立たないのです。

そんなわけですので、就活で煮詰まっている若者たちよ、久しぶりにゼミやサークルの仲間に、特に用は無くても連絡を取ってみてはいかがかな? 

きっと良い事ありますよ。