現役・卒業生3世代で鹿肉を食いながら「いつ仕事を止めるか」について話し合う夜

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猛威を振るうインフルエンザによって何と直前に4人も不参加が出て、替わりに登場したのが「チーム残念(2012年度2年ゼミの男子3人組の正式名称)」。ということで蓋を開けてみれば3世代の懇親会になりました。

一番上が2012卒だから間も無く卒業後2年ですね。

そんな短い間にも皆さん色々あって、「4月には結婚します」とか「会社辞めて〇〇目指す」とか、そうかと思えば3年生は就活まっただ中。

元先生は一人一人が心配でならないんですが、さすがに1ダース越えてくると、もう自分を信じるしか無いなという気分になりますね。自分? はい自分。自分がそれぞれの若者の先生であった間にどれだけ人の器を強く大きく出来たか。自分は充分にやったと信じるしか無い。

なにしろ「そもそも先生が一番フリーダムな人生じゃないですか(怒)」って言われたら(実際に言われました)、もう何も言えません。申し訳ありません。学生の恋バナにツッコミ入れてたら「先生チャラい」とも言われた。その通りでした申し訳ありません。

そういえば私も大学出て派遣とか契約社員やりながらロックバンドでギター弾いてたのが1年目2年目ですね。それがある日、六本木のWAVE(という西武系のCDショップがあったんです)で買った1枚のライブアルバムに打ちのめされて、こんなとこでこんな連中と付き合っててもダメだと思って、スパッとロックバンド止めて学問一本に絞ったのでした。

そのアルバムの中でも一番鮮烈だった曲。それが帰り道でiPodの電源を入れてシャッフルで再生したらいきなり流れてビクッときました。

「静かな店の ガラスの奥で 古い楽器が 眠り続ける
錆びた弦巻 音を抱きしめ 遠い昔の 夢を見ている

青い河には 五つ橋が架かってる
旅の男の 肩に揺られ一つずつ渡った

春の日は春の歌 雨上がりは虹色
五つ渡り終えたら 国境の草原

祭りの夜は 灯りの下踊るチャルダッシュ
輝く銀貨 帽子の中で星屑のように

見張り塔がそびえる 丘を越えて吹く風
砂巻き上げて駆ける 栗毛色のたてがみ

遥か時は流れて あの男はもういない
高い空の真下で 歌う歌はもう無い
五つの橋渡って 五つの丘を越えて
浅い眠り淵で 夢の旅は続くよ」
(Zabadak「五つの橋」 工藤順子作詞・上野洋子作曲)

あのアイリッシュ・ブズーキのイントロが流れた瞬間、東京でロックバンドなんかやってたってどこへも行けないって思っちゃったんですよ。ストラトキャスターとロックンロールではなく、学問が自分を地平線の向こうまで連れてってくれるんじゃないかと思った。それは確かに間違いではなくて、学問を肩にかついで五つの橋を渡って国境の草原まで来ることが出来ました。

そしてここからは男性用育児バッグに学問を入れて国境を越えて行くわけです。

若い皆さんもそれぞれ、あの日の私みたいに「今こそその時だ」と思ったら、古い自分を捨てて進んで行くと良いと思います。

ただ、冒険とは一か八かでやるものではないのも事実です。チャレンジが失敗に終わった時、いかに上手にエスケープして体勢を立て直して敗者復活戦に持ち込むか。そこは充分に準備しておくこと。