少年ジャンプな採用人事はもうやめろ

大量の就活エントリーシートを添削して感じたのですが、こういうのやらせている企業の採用担当者の発想法こそ心配になります。

どの会社も判で押したように書かせているのがこれ。

「あなたを一言で言い表す言葉は何ですか?」
「あなたがこれまでに乗り越えた挫折(あるいは「壁」)について書いてください。あなたはそこで何を学びましたか?」

週刊少年ジャンプかよ。

21年も生きていれば、そんな一言二言で説明出来るような単純な人間ではない方が普通だし、そういう複雑な人間である方が視野も広く経験豊かで信頼出来るというのが私の実感です。たまに一言で表現出来る学生もいますが、それはこんなような単語ね。

「怠け者」「下品」「不誠実」「卑怯者」

そして挫折だの壁だのというのもおかしい。もちろんそういう経験が糧になることも多いでしょう。そういうものを糧にして成長してきた学生ももちろんいます。

でも、得てしてこういうのって見かけ上エッジの効いた経験の自慢競争になりがちです。ですが、たしか企業経営では「なるべく多く、小さな失敗を重ねろ」というのが成功へのセオリーとされているのではなかったか? 良い生き方をして大きく成長している学生を見ると、壊滅的大敗から復活してきたとかの少年ジャンプなストーリーよりも、積極的に動いて早い段階で小さく負け、撤退と再挑戦を繰り返して前進してきたような子が圧倒的に多いですよ、実際。

そうなんです。採用人事やってる側が少年漫画の仲間キャラ集め感覚になってる。そんな発想の連中に振り回されてる若者達が気の毒ですよ。