阿部謹也先生の御著書はここ2年ほど教科書で使ってますが、この文章も良いなと思ったので抜き書きしておこう。
教養とは自分が社会の中でどのような位置にあり、社会のために何ができるかを知っている状態、あるいはそれを知ろうと努力している状態である。 (前略)教養ある人にもとめられているものは何か。 それは直接に付き合える限りの人と人とのつながりを平和に維持することである。争いを避け、一人一人がおのれの寿命を全うし得るような一生を送れるように配慮することである。現在よりも将来の方が少なくともより平和に暮らせるような希望を与え続けることが出来る人を、そこでは教養ある人と呼ぶであろう。 (阿部謹也『学問と「世間」』岩波新書、2001年、124-125ページ)
私が玄人の研究者そしてアマチュアの教育者として若者たちに教えたいと思っていることのほとんど全てがここに言い表されてますね。素晴らしい。