稲城市「事業仕分け」のコメントが出たようで

 「事業仕分け」の仕分け人さまがたの御講評が公開されました。

 例の「私立幼稚園等園児保護者負担軽減補助金は廃止しちゃえよ!」の件のコメントは

就園奨励費と重複しており、また、保護者負担軽減補助金と幼稚園教育振興とのつながりがあるとは思えない。総合的な子育て行政の運営を検討する必要がある。

だそうです。なるほどなるほど。

 (善意に取れば)私立幼稚園就園奨励費補助金と二本立てなのは変だから統合しちゃえと。う~ん、でもねえ、私立幼稚園関係の補助金がこの二本立てなのは稲城独特の話じゃないからねえ。川崎だって(「私立幼稚園園児保育料等補助」と「私立幼稚園就園奨励費補助金」)多摩だって(「幼稚園就園奨励費補助金」「私立幼稚園等園児保護者補助金」)二本立てっす。これは稲城みたいな末端の自治体単位で考えるよりも国全体で制度を考えるべき案件なんじゃないのかなあとは思いますけどねえ。

 幼稚園教育振興との繋がり・・・・については、仕分けされる側の稲城市担当課の作文も言いたいことがイマイチはっきりしない(というか下手)だったので、私から見ると「何が言いたいのかよくわからない話に、何が言いたいのかよくわからないコメントが付いている」という、全面的によくわからない印象があります。

 担当課の言いたかったことを私なりに推測すると、「幼稚園の費用負担軽減を止めれば、経済的理由で幼稚園でなく保育園を選択せざるを得ない世帯がいっぱい出てくるけど、現状でも市内保育園に空きとか全然無いし、幼稚園には幼稚園の良さがあってそっちを選びたい家も沢山あるんだから、こんなとこで幼児の生首討ち取って手柄にする必要無いじゃんか、だろ? つーか鬼畜かあんたら」ってとこですかね。

 当たり前の話ですが、幼稚園の値段が上がればそれを買える家は減る。幼稚園は今よりも高級品になる。当然ながら幼稚園の園児は減る。幼稚園の経営きつくなる。人減らしとかも視野に入ってくる。市内の幼稚園がそれぞれ育ててきた幼児教育のノウハウは多少なりとも削れてすり減るでしょう。それを「幼稚園教育の振興」とは呼べないだろうし、むしろ逆。とすれば、私立幼稚園等園児保護者負担軽減補助金が幼稚園教育振興に繋がるかどうかはともかく、その廃止が幼稚園教育の反振興になるとは言えるんじゃないか? う~む、「仕分け人」も言葉遣いの達人よのう(笑)。

 まあどちらにしても、結論を出すのは市議会ですからね。統一地方選があって市長も市議会議員も選挙戦突入の年度予算でこの案件通す根性があったら、私はむしろ彼らを尊敬します。でもこれから稲城に越してこようという人に「子供を幼稚園に行かせたいなら稲城より多摩とか日野の方が良いよ」とは言うでしょうね。あはっ。

追記:「仕分け人」として登場した中には宇部市職員、小田原市職員、高島市元副市長なんて方々がおられましたが、宇部市と小田原市は奨励金だけで高島市にはその手のものは何もないのでした。公立幼稚園については、宇部市は最近唯一の市立幼稚園を潰したとのこと。なお、小田原市と高島市にはちゃあんと市立幼稚園がございます(稲城は私立しかない)。小田原と高島の市立幼稚園も「仕分け」されちゃわないことを心よりお祈り申し上げます。
 あと、宇部、小田原、高島各市の産品の不買運動とか稲城の私立幼稚園方面で始まっても泣かないでね。