聴覚障害についての論考の原稿依頼が来ているので今日は資料調査をしてました。
※昼寝は90分間しました
聴覚障害分野の研究から撤収して10年は経ってると思うので、今や私がこの分野で昔色々と書いていたなんて知ってる人は居ないと思ってたんですが、不思議なもんですね。
それで久しぶりに色々と調べてみたんですが、うーむ、何か10年間であんまり変わった気がしない。10年前にやりあってた連中が相変わらずのさばってるじゃねーか、みたいな。
聴覚障害関連のICTデバイスとか支援ビジネスの領域では若くアクティブな人たちがそこそこ出てきているのですが、アカデミック領域が・・・金澤貴之、亀井信孝、渋谷智子といった私と同世代のこの分野の大学教員たちのこの10年を見ると、んんんんんんんんんん・・・・新しさを感じない・・・・うーむ
ものすごくかいつまんで説明しますと、1990年代半ばからの10年間、日本では聴覚障害の中でも特に「ろう(手話を第一言語とする人)」とは何か、日本社会の中でどうあるべきかという問題を巡って仁義も何もあったもんじゃない壮絶な言論闘争があったんですよ。その中で上記諸氏もそれぞれ戦い、名を挙げ、所領を獲得して大名となりじゃなかった、公募を勝ち抜いて専任教員となっていった。そういう名うての兵たちであった。
であったのですが、その後を今見たらみんな落ち着いちゃった感が凄くて。ご本人は主観的にはそれぞれ戦い続けているんでしょうけど、ほら、大御所ロックバンドが5年に1枚くらいアルバム出してワールドツアーしてるあの感じですよ。そんな感じ。アリなんだけどね。森壮也と佐々木倫子の本なんかローリングストーンズの50周年ツアーを見てるみたいな気分だ。
そのアカデミックの世界から一気にズームアウトしてみると、去年の7月には今井絵理子が政権与党の国会議員になり、この分野は千載一遇のチャンスである。彼女ほどの知名度と、当事者経験を持つ人物を国会に送り込んだんですよ。しかも共産党や民進党じゃないんだよ。自民党だ。何やってるんだ君たち。
思うに今井議員は知名度と、ろう児の母親としての経験は抜群です。これは凄い財産。交友関係を見てもファットマン武井氏とか、「ろう」の現場の人たちとちゃんとつながっているようです。そこは素晴らしい。今必要なのは、与党として国会に出せる政策を考えて、シンプルかつ精密な言葉で書き起こして、彼女にレクチャーして、文科省と厚労省に営業してということが出来る人材でしょう。そこがあってこそ、聴覚障害者を取り巻く政策が進む(私も何フルピープルのマネージャーだった時に政策案や現状の課題レポート書いて自民党の代議士に陳情行って来ましたけど、ちゃんと真面目に聞いて秘書に色々指示してもらえましたよ)。
その仕事はですね、やはり世紀を跨いだ血みどろの10年間を戦い抜き、勝ち残った徳川方の知識人たちこそ担うべきだと思うんですね私は。大御所ロックスターしとる場合じゃないんちゃうのか。え。