世の中やったもん勝ち。

三菱商事ロジスティクス・インターンシッププログラムで学生たちが作成したレジュメが手元に届きました。どれも素晴らしい出来で、よくぞズブの素人が4日間でここまで調査したと感心します。読んでいて胸がいっぱいになったので、しばらくアタマを冷やしてからもう一度読み直した私です。

中でも出色の出来だったのはKちゃんとHちゃん。Kちゃんは唯一の2年生だったのですが、分析力が圧倒的でした。ワークショップをやっていたときにも思いましたが、この子は別格。私と同等かそれ以上のアタマの良さがあります。TNTの人事の方も少し話しただけでこの子の潜在能力を見抜きましたが、まあMCLOGIの人事さんもこのレポート見て確実に「おい、この子うちで採れないのか!?」と苦悶してると思いますよ。

それからHちゃん。1年の時から文章力や熟考しての論理構成力は並外れていた(4年生でも当時のHちゃんのレベルに到達していない学生がいっぱいいます)のですが、このインターンシップで当時からの課題であった現場力が大幅アップしました。つまり限られた時間、事前に展開が予想出来ない出たとこ勝負で結果を出す力ですね。4日間でよくぞここまで調べて、ここまで分析して、ここまで鋭いソリューション案を書けたなと。苦手としていたプレゼンもしっかりこなしてきたようですし、彼女は明らかにこの半年間で弱点を克服し、長所を更に磨きましたね。素晴らしい人材です。

他の4人も、それぞれに大事なポイントを確実に押さえて高品質なレジュメをつくっていました。このレジュメ、5日目の午前中に倉庫の一室で「さあ書け」と言われて書いた手書きのレジュメで、まさに現場力のたまものなんです。今回のプログラムで三菱商事ロジスティクスの人事・総務には確実に「立教良いぞ」というイメージが刻まれたでしょうね(笑)

そうそう、HちゃんはもともとB to C的な分野に興味をもって勉強をしている子なので、今回のようなB to Bのインターンシップはやらないだろうなあと私は思っていたんですよ。本人も結構悩んだみたいなんですが、思い切って参加してくれた。正直、ロジスティクスとか全然イメージわかなかっただろうし、だから興味も持ちようが無かったと思いますよ。でも、何かを感じてくれたんでしょうね。そして結果的には大収穫だった。現代の最先端の物流ソリューション構築の現場を見られたというだけにとどまらず、何社もの企業が協力して一つの大目標に向かっていくときに発生するいくつもの事象を、それぞれの会社の社員さんのナマの声を通して見つけ出し、改善策を提案するというところまでいけた。しかも、それだけではありません。小野センター長を頂点とする複雑な組織の成り立ちや動きを調べる中で、組織をマネジメントするとはどういうことなのか、その根源にあるものは何なのか(敢えてここには書きませんが、レジュメにはそれがはっきり書かれています)、そこまで到達した。そこを掴んで、ちゃんと自分の言葉で表現出来るようになった。

これは効くね。地味だけど効く。人間社会の本質の一つを掴んできたんだから。別にロジ企業じゃなくたって、あるいは仕事じゃなくたって、社会というのは人が集まっているものだし、人の集まりを制御しようと思ったらそれはそれなりのスキルが必要になります。3人とか4人のグループだって仕切れないやつは仕切れないし、それが何十人という集団になればなおのこと、高度なスキルが要求される。そのスキルの根底にあるのは、人間というものへの深い理解です。まずは人間のことをわかってないと人間の集団をマネジメントすることは出来ない。当然だよね。その一端に、この子は確実に手をかけた。そこを手がかりとして、この子はさらにぐいぐいと上昇していくはずです。「ロジスティクス? 興味無いです」「マネジメント? 興味無いです」と言わずに挑戦したかいがありました。

このレジュメ集を見ただけで、私は相当に満足しました。もう今回限りでプログラムを封印しても良いと思ってしまうくらいに満足しました。やはりやって良かった。