国際オリンピック委員会が2016年の夏季オリンピック招致に立候補した4都市の調査結果をまとめた報告書を公開しました。
既に報道されている通り、既存施設の活用を謳っているにも関わらず、実は新しく作らないといけないインフラが結構あるじゃないかとか、市民の支持率が他の立候補地より低いんじゃないのとか、幾つかの突っ込みが入っていますね。まあ個人的には、都心半径8キロ以内で殆ど全部の競技をやっちゃうというコンセプトを作った時点で、「じゃあ多摩は東京じゃないの?」というシラケ感が立ち上ってきた記憶がありますし、逆に自転車ロードレースはやっぱり府中と多摩と稲城周回にしますと言われれば俄然盛り上がりもします。
「多摩・武蔵野地域も東京の大事な一部ですよ。オリンピック招致本部は多摩・武蔵野地域のことも忘れていないですよ。」というメッセージを強く出してくれていれば、じゃあ応援してやらんでもないという気になったんですがねえ。結局、予算とかマスメディアを握っている人たちにとっての「東京」って山手線の内側のことですし(もっと言えば「日本」と「山手線の内側」を殆ど同一視している人も多数)、そういう意識が(自分たちは気づいていないんでしょうが)露骨に感じられたという部分で、引いてしまったんですよ私は。
あ、そうそう。
環境関連の報告は31-32ページでしたが、緑地については以下の記述が全てでした。
The Tokyo 2016 Sustainability Plan also includes a green urban programme, creating 1,000 hectares of green spaces. The establishment of a “Sea-Forest” on reclaimed land as a waterfront Games venue is underway, leaving a legacy of an 88 hectare forest and other areas for passive and active recreation.
大サービスでさらっと訳しときますよ。
「TOKYO2016における持続可能性関連計画には、都市緑化プログラム(緑の東京10年プロジェクトのこと)も含まれている。このプログラムでは1000ヘクタールの緑地を創出するとされている。例えば、臨海地区の競技会場となる埋め立て地では「海の森」づくりが進んでいる。これは88ヘクタールの森林を造り、様々なレクリエーションの場として活用しようというものである。」
以上終わりです。わざわざローザンヌのIOC受付嬢のところに、南山の区画整理事業は東京のオリンピック招致活動が掲げる理念に反するものだという文書をお持ち下さった方々もいらっしゃいますが(その往復の航空移動で排出された二酸化炭素の量はなかなか馬鹿に出来ませんよ)、民間人が私有地でやる事業に条例に基づいて補助金を出すというだけの話ですからねえ。ちょっと飛ばしすぎたかな。