10月の甲斐さん講演会以降、「南山・何でも検証ワークショップ」はお休み状態ですが、その間にも着々と仕込みは続いております。「里山コモンズ住宅」を実際にプロデュースする実務家チームの編成もやりましたし、南山に出来る街の植栽をどうするかについても、年明けには地元農家さんや地権者さんのリーダー格の方と意見交換会をすることになりました。
その方に、南山の植栽計画素案作成の協力をお願いしに行った時に開口一番に言われてはっとしたのが、この一言。
「農家の迷惑にならないような木じゃないと駄目なんだよ。」
迂闊でしたね。例えば稲城ではカイヅカイブキは基本的に植えられていません。特産品である梨の病気を媒介するからです。他にも稲城は葡萄や葉物野菜、根菜など結構色々作っていますが、これらの作物に害を与えるようなものは植えてはいけない。当たり前のことですよね。
じゃあその知識、何を植えたら拙いのかの情報を持っているのは誰?
じゃあその知識、何を植えたら拙いのかの情報を持っているのは誰?
地元の農家さんです。言い換えるなら、南山の地権者さん。
それならアオダモとかミズナラとかカエデとかの家具材として高値が付く木を植えて、立派に育ったら売っぱらうなんてどうだろう? そう考えてサンダンス・ウッドワークスさんやイイヌマギターさんに相談したら、「寒い地方で育った木の方が木目が詰まっていて質が良いですねえ」と言われちゃいましたよ。
じゃあ稲城の山に植えてちゃんと育つ、有用な木は何かの情報を持っているのは誰?
地元の農家さんです。地権者さん。
里山は「里の人間の役に立つ木が植えられている山林」だから里山。で、その山の一番濃い情報を持っているのが地権者さん。南山をどうするかについてまともに考えようとすると、地権者さんの知恵や協力が無ければ一歩も先に進めない状況がどんどん見えてきます。
来年は「検証」から「街作り」へとステップを進めて、面白いことをどんどん仕掛けていきますよ。斯うご期待。