南多摩選挙区の都議選の結果が出ました。定数2、立候補者数4(自民、生活者ネット、民主、共産)で、結果は自民の現職と民主の新人が当選。現職の生活者ネットと共産の新人が落選。最下位は共産党。
4人の候補者のうち、共産党の候補だけが南山東部土地区画整理事業を争点化して、計画見直しを訴えていました。街宣車のがなりを何度か聞いた印象では、一番この候補が強調していたのが南山問題だったと思います。
それで、ぶっちぎりの最下位落選。
良くも悪くも、有権者の関心は薄いんだなあと。先日稲城市議会で不採択になった見直し要求請願が25000筆を集めたとのことでしたが、この共産党の候補が稲城市と多摩市で集めた票は14000票に届かず。今回の有効投票者数が10万2200票前後ですからねえ。せめてこの選挙区で5万票くらいかき集めて圧勝するくらいの集票力が無ければ、何百億円もの財政出動を都議会で通して南山保全実現というのは無理だと見ていましたが、この千切れっぷりは予想以上でした。
何となく「興味なし」という形での民意が示されたように感じるのですが(それはそれで切ないものがある)。
次は衆議院選挙が来月に行われますが、稲城市は三鷹、調布、狛江とともに東京22区になります。例によって共産党は候補を立てるんでしょうが、南山を争点化するつもりはあるんでしょうかね? 国政選挙であれば南山をどうこうという話よりもむしろ、都市農業をどれだけ支援出来るかという議論をすべきだと思いますけどね。
選挙スケジュール的に言うと、衆院選の次は再来年春の市議選・市長選です。南山問題はそれなりに争点になるでしょうが、工期的に見て2年後の春には造成工事の大まかな部分は完了。公園通りの延伸も始まっている状態です。第1期工事は2011年度中の完了予定ですから、旧南山スポーツ広場跡地(宅地)と多摩サーキット跡地(公共施設用地)の造成・道路整備工事の発注は選挙の時点で終わっている可能性が非常に高いので、選挙結果がどうあれ、市政が介入出来るのは第2期工事(崖地整備と奥畑谷戸西側の「里山コモンズ」予定地)以降。
それまでに、南山反対派の各会派が最低でも「崖地を処理出来る」「地権者の了解を得られる」ような現実的プランを準備出来ていなければ、時間切れです。ひとまず南山東部は宅地になるでしょう。50年後、100年後にどうなっているかはまた別の話として。