卒業生たちの集まりに呼ばれて何をしているかというとね。

大学で教えなくなって9年目の春ですが、相変わらず卒業生たちの集まりに呼ばれることはとても多くて、平均で月に1度はおまえちょっと来いと言われるのです。

行った先で私が何をしているかというと、隅っこの席に座って教え子たちが楽しく盛り上がっているのを眺めているだけです。空間的にも会話的にもサポート役の位置を厳守しています。

って考えると現役の先生だったときのゼミ運営と同じなんですね。会話の主役はあくまでも学生/卒業生たち。ただし要所要所で「意外な視点」の提供や「解題」をしてあげて、へええっとなったところでスッと話の輪から抜ける。あるいは、一部で話が盛り上がっているなあと思ったときには、タイミングを見計らって別の話題を振ったり声をかけたりして、会話のバランスを調整する。

みんなで満遍なく盛り上がったほうが楽しいでしょうからね。せっかくなら。

そういうコミュニケーションの場作りを自然にこなしてくれる人間はたぶんとても少ないので、重宝されているのかもしれない。