見当たらぬ

 いよいよ本国での映画の公開が迫ったようで、渡西する人々が出始めたようですね。「アラトリステ」。史上最高のユーロ高+原油高(による航空運賃割り増し)+首締め強盗再ブームの三重苦をものともせず。いやまじでユーロ高すぎですよ。

 さて。せっかくプラド美術館を訪れるのであれば、是非とも見てくるべき名画がもちろんありますね。「ブレダの開城」。噂ではこの絵のどこかに隊長が描かれているそうですからねえ。馬の後ろとかなんとかイニゴくんは1巻1章で書いていますが・・・・。果たしてどれが隊長なのかは、これはもう皆さんの心眼がいかにモーテンセン先生一色に曇っているか次第ですね。

 ところで1巻2章です。イニゴくんがアンヘリカちゃんの思い出に浸る箇所。ここでイニゴくんは確かに「ベラスケスが成人したアンヘリカの絵を1635年頃に描いた」と言っています。頃というのは美術館ではcirca 1635となります。

 話を戻して、しかし色々調べてはいるんですが、イニゴくんが言っているのがどの絵のことなのか、皆目わからんのです。1635年といえばベラスケスは「ブレダの開城」を完成させた年。既にイタリア留学からも戻って、王室画家としても王付きの官僚としても脂が乗りきった時期です。が、この頃の彼の絵で有名なのは、だいたいがむさ苦しい男ばかり描かれた作品なんですよ。あるいは王子様とかね。

 生涯でわずか120点ほどしか描かなかった(官僚としての仕事が忙しかったので)人ですから、もしも実在の絵なら、だいたいどれかわかるはずなんですが。これはレゾネを確認するしかないのかな。イニゴくんは「有名な絵」と言ってますよねえ。ううむ。

 というわけで、もしもプラドにてそれらしい絵を発見された方、デジカメで撮るのは止めて(絵が傷むので)、タイトルだけ私に是非教えてくださいまし。