新世界の文明

 今日は本の紹介。

 ヨラン・ブレンフルト編『図説・人類の歴史8:新世界の文明(下)南北アメリカ・太平洋・日本』朝倉書店、2005年。

 タイトルの「新世界」というのが露骨に失礼ですけども、中身は充実です。7章「南太平洋の島々の開拓」8章「南太平洋の石造建造物」と、本の半分強がオセアニアを取り上げていて、例えば130-131ページにはニューカレドニアのシングル・アウトリガー・ダブルカヌー(ダブルカヌーの片側にアウトリガーが付きだしている)のバカでっかい写真が掲載されています。142-143ページにはホクレア号のやはり巨大な写真。帆の形と素材から見て、80年代の装備のような気がしますね。

 他にもミクロネシアの竹製の航路図だの、マウイ島で見つかったダブルカヌーのペトログリフだの、面白い写真がいっぱいです。文章もしっかりしていて、翻訳者は片山一道さんだし、ベン・フィニーの書き下ろしコラムはあるし、航海カヌーに興味がある方は必見です。問題はお値段ですけれども、公共の図書館に入っているでしょうから、そこで読めば良いでしょう。少なくとも都立図書館には入っているから、都民なら近所の公立図書館に頼めば取り寄せて貰えます。

 航海カヌーをテーマにした「総合的な学習」をやるんなら、まずこの一冊と太鼓判を押せます。