女性のキャリア上の危機における緊急対応は正論より生存優先で

ブラック企業からの脱出と転職の手引きをした教え子から、正式に入社手続き完了しましたとの連絡。おかげで超元気になりましたと。
私が久しぶりに「最近どうしてる?」と声をかけた時点で既に通院中ながら辞める決断をしていなかったが、話を聞いてみてこれはヤバいと直感したので、「そんな会社は明日にでも退職届を出して辞めなさい。でないと死ぬよ?」と叱りつけて辞めさせた。
結局、救出オペレーション開始から完了までほぼ1年間かかったけれども、これからの人生の長さを思えば、この経験はいつか彼女の財産になるだろう。
どんな辛い目に遭っても逃げずに頑張るなんてのは、特に女性にはお勧め出来ない。日本社会は日本人のおっさんに圧倒的に有利に出来ている。だから自分は女性のキャリア支援に関しては、正論よりも生存を優先する。
「このままでは死ぬか潰されるか」状態からまずは「大勝ちの目は無いが戦い続けられる」状態への誘導。その次にようやく、「人材として大切にしてもらえる場所」への脱出となる。
実は、このプロセスの中で密かに威力を発揮するのが、心あるおっさんたちのネットワーク。才能や実力がある女性の力を無駄にしたくないという思いがあり、力を貸してくれるおっさんたちが、色々な情報や人脈を提供してくれる。皆さん正論より行動というタイプ。当面食いつなぐために自分の会社で雇ってくれるとかいう人も居る。
今回の救出オペでも東大の経済卒で上場企業を作ったRくん、名大の物理の博士課程出身のコンサルKさんなど、快く無償で手を貸してくださったおっさんたちがいた。感謝してもしきれない。