4258日後。

「父ちゃん、現実って何だろう？」
「現実という言葉で何を言おうとしているのかがわからない。」
「今こうして（夜道を歩いて）いるのは現実なのかな？　夢なのかな？」
「意識の解像度が一番高くなる空間がその人にとっての現実だ。この空間がおまえにとって一番、意識の解像度が高いのなら、ここが現実だ。」

「なるほど！　じゃあ死んだ後にも現実ってあるのかな？」
「意識は電気信号が生み出している現象なのだから、それを支えるデバイスは原理的には何でも構わない。その体が使えなくなったとしても、シリコンのデバイスにおまえの意識を転写出来るならば、それは現実だ。」
「そうかあ。」
「ただしJボードには乗れなくなる可能性が高い。」
「それはイヤだから大事にしないとな。」