私もカバン屋なんていきなり旗揚げしたわりにはそれなりに続いていて、今日も今日とて素材から設計から考えに考えて、1点数万円のオーダー品を作ったり、新規取引先開拓のメールやり取りしたり、バッグデザインコンサルのミーティングの予定入ったりと、しょぼいながらももう4年くらいはカバン屋の看板です。
そうなると、自分もハンドクラフトで副業出来ないですかねという相談がたまにあったりします。
では実際のところどうなのか。
ここでがっかりするような資料をご紹介です。
写真1:ミンネで「Asu」を名乗る作家が販売している3980円のフェイクレザーのトートバッグ。
写真2:Asuの自己紹介。完全受注生産とか書いてありますが。
写真3:何故か同じものが楽天市場でも売られていて。
写真4:楽天の販売元は「株式会社ゾーンプラス」。ショップの名前はAS shop。ミンネやクリーマで作家名としているAsuに似てますね(笑)
写真5:資本金800万、社員9人。大津の会社でした。
写真6:社長さんのFBより。こんな感じの方々が作家Asuの中で頑張っておられます。
つまりこういうことです。
ハンドクラフトフリマアプリ、現物は見られないわけで、決めてとなるのは画像と値段です。だったら有利なのは中国からODMでそれっぽいデザインのものを安く仕入れて(このフェイクレザーのトートだったら多分1個500円くらい)、いかにもハンドクラフト主婦みたいな雰囲気でミンネとクリーマで売る。
写真7はminneの別のショップですが、これもこんな値段でハンドクラフトでこれだけの量を出せるわけ無いじゃないか。十中八九、中国か東南アジアからODMで買い付けですよ。
原産国表示はどうしてるんだろう。輸入品を国内ハンドクラフト品と称して売れば景品表示法第5条第3号に違反すると思いますがね。
ここから先は推測ですが、もうミンネやクリーマで5000円切る値段で売れ筋でリコメンドされるバッグなんか9割はODM輸入品じゃないですかね。夢の無い話ですが、ハンドクラフトだけで年商100万越えられるような人ってピラミッドの上から1割。。。。居ないんじゃないか? 私もそこまでは無理です。単価は最近上がってきたけど、それはオーナーの求める課題解決が出来るデザイン能力とSNS発信力があってようやく、ですからね。
伝統工芸品の職人さんだって年収で言ったら中小企業のサラリーマンより安い人が多い国です。ハンドクラフトで副業は、凡人には無理ですね。
まあ、リアル店舗のアジアン雑貨屋さんだってハンドクラフトともファクトリーメイドとも何とも判断しづらいものを山ほど並べて売っているし、同じ中国ファクトリーメイドでも楽天でAS shopから買うよりminneでハンドクラフト作家Asuから買う方が気分良く買える人が居るんでしょうから、夢は夢としてそっとしておくのもアリかな。景品表示法だけ注意して欲しいです。