芸能系キャリア教育の課題など

キャリア教育というものは自分はそれなりに深く実践してきたと自負していますが、考えてみるとなんだかんだで有名大学の学生という大きなアドバンテージのある場でしたから、セオリー、定石というものが成立します。

そしてその定石に添って進めていけば、途中で変な方向へのジョブチェンジをかましても、そうそうはおかしなことにはならない。リカバリーも何とかなります。

(加藤先生の推薦なら、ということで便宜を図っていただいたことも何度もありますし。)

しかし最近、有名大卒という属性を持たない若者のキャリア構築の現場を通りすがることがあったりして、んーむ、これは・・・何かが足りないと。

キャリア教育という視点で見ると、指導する側・指導される側ともステージ難易度が高いのは、有名大卒ではなく高卒や専門学校卒といったルートを歩んでいるケースです。有名大卒なら大手企業に押し込めば初期コストかけて社会人の基礎を身に着けさせてくれるからね。3年も我慢して勤めてれば似たような規模の会社に転職も出来るしさあ。

一方、例えば芸能系の専門学校を出たばっかりで右も左もわからないような若者が、そのまま途方にくれてフリーターとして日々を過ごしているような世界もある。

ですが、そういう業界で活躍する人生を目指したいなら会計から税金のことから営業から広報広告から名刺の渡し方もらい方まで、一通り身につけてないと本来マズいわけです。でもそれを教えられていない。誰も教えてあげない。もったいない。良いのかそれで。

学校を出た時にそうしたことを一通りわかっていて、何か困ったり悩んだり迷ったりしたときに相談出来る大人が居て、というのでなければ、せっかくの才能や技芸やそこに投資された時間やお金、全部無駄になるかもしれないのに。

世知辛い界隈だなあ。と感じました。

とは言え。才能だけはすさまじくある若者を、お金の余った道楽社長が公認芸能お妾さんみたいな感じで囲い込んで、ビジネス周りを全部やっちゃって、場合によっては会社のカネまでどんどんつぎ込んで、会社の社員も本来の業務以外に芸能妾のお世話までやらされて、そんで本人は練習と本番だけやってれば良い状態で実績がどんどん積み上がっていくというケースを考えてみると、道楽社長は楽しいんでしょうが本人も周囲もそれ本当に幸せなの? という課題もございます。

そこまで行くともうその若者は社長のところを離れられません。全部お任せで好きなことだけやってれば少なくとも実績と衣食住は与えられるけど、本来社会人として必要なあれこれは全く身についていかない。これはこれで不幸なことと私は思います。