TOKYO ART FLOWが非常に残念だった

二子玉川で開催されている第1回「TOKYO ART FLOW」を見て参りました。

採点は10点満点の2点。出直してこい、というレベル。

主催は実行委員会形式で、CCC、世田谷区、玉川高島屋SC、玉川町会、多摩美大、東急電鉄、東京都市大学、楽天、二子玉川エリアマネジメンツなどが加盟。

キュレーターはおらず、「アートプロデューサー」として松田朋春という人物がアサインされています。彼はわかりやすく言えば広告代理店です。これまでの実績もプロダクトデザインのプロデュースやイベント企画に集中していて、アート分野でははっきり言えば実績ゼロ。ただ、地域アートイベント系のプロデュースで大きな案件を数件これまで受注しているので、そちらの実績を買われた起用と推測します。

1964年東京生まれ。2008年にグッドアイデア株式会社を設立、株式会社ワコールアートセンター/スパイラルシニアプランナーを兼任。企業とクリエイターのコラボレーション事業「ランデヴープロジェクト」や、視覚障害者が開発に携わった「ダイアログ・イン・ザ・ダークタオル」、千葉県柏の葉地区の地域活動「はっぱっぱ体操」「キノピオプロジェクト」などプランナーとして幅広いプロデュースをおこなう。最近の仕事に、日本の優れた工場と協働して商品開発する「典型プロジェクト」や、詩を本の外にひらくデザインレーベル「oblaat(オブラート)」、松山市でのアートフェスティバル「道後オンセナート2014」プロデュース、二子玉川「TOKYO ART FLOW 00」プロデュースなど。グッドデザイン賞審査委員(2013,14,15)。立教大学観光学部非常勤講師(2014年度まで)、多摩美術大学美術学部非常勤講師。詩人としても活動。著書に『わたしの犬退治』(新風舎)『エアリアル』(ポエムピース)などがある。詩人の谷川俊太郎、覚和歌子、三角みづ紀、TOLTA等と交流がある。

(出典:wikipedia 2019/2/19閲覧)


さて。

通常、ビエンナーレのようなイベントですとまともなところなら、プロのキュレーターを数名アサインして、その上にディレクターを置きます。ディレクターもプロのキュレーターや著名な美術批評家から選ばれます。

このチームがアートイベントのテーマを決め、そのテーマに従って作家を選び、作品を発注したり貸出を依頼したりして、イベントを構成する作品群を構築していきます。

テーマは、ハイエンドのイベントならば世界のアートシーンのトレンドを踏まえて、また世界情勢を反映させて、新しくてなおかつアートの市場に刺さるものを考えだします。

つまり広告代理店みたいなドシロウトに出来る仕事じゃございません。しかし、これをやらないとアートシーンで相手にされない。アートシーンの情報を扱うマスメディアやブロガーが取り上げてくれない。アートシーンで注目されなかったら、それはアートではないです。では何なの? 限界芸術とかフォークアートとか・・・そういうたぐいのものです。

TOKYO ART FLOWはまずここでやらかした。実行委員長の建畠晢は横浜トリエンナーレのディレクターやヴェネチアビエンナーレの日本館コミッショナーもしたことがある玄人ですが、多摩美大の学生の作品を多数押し込んだ以外に仕事してる気配無いことないですか? 

そんなわけで、まずアートイベントとしては中身が極めて空っぽいやつで失格。

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では地域アートイベントとしてはどうでしょうか。
とりあえず暑いし会場間の移動遠いし暑いし退屈だし、アートに興味無くて面白ければいいやって人でもこれはきついんじゃないかな。特に昼間ね。

結果的に企業の宣伝ブースが一番人集めてて面白かったもん。坂本美雨のイベントとかやってるんだけど、そこに「坂本龍一と矢野顕子の娘」が居ることに気づいてたの、10人くらいだったと思うよ。

なんですかねえ、実行委員会で「アートわかってる人」が一握り、現場の仕切りは広告代理店で、強力なリーダーシップもビジョンも不在ということで、こうなっちゃったんでしょうか。

もったいないねえ。