プログラミング教育とやらが全部エンジニアリングの発想で出来ていてくそくらえです。

論理的思考を養えるとか、とにかくこれからは必要とかでプログラミング教育に大金動いていますが、そのカリキュラムの考え方を見ると、エンジニアリング的な発想に覆い尽くされていて、あーつまらん展開だなあと思います。

エンジニアリング。工学。単純に言うと、こういうものを作るという目標があって、その目標に対してどれくらい近づけたかで点数が決まるやつです。

例えば車の燃費。1リットルの燃料でどれくらい遠くまで走れるかで、はっきり勝負が付きます(正々堂々の勝負で勝てなかった三菱はインチキで勝とうとして会社買われちゃいましたなhahahahaha)。

ロボットに迷路クリアさせてタイムを競うとか。
倉庫でどれだけ上手くピッキングさせられるかを競うとか。

全部同じ。与えられたタスクをどれだけ高いレベルで満たせたかがあなたの点数になるやり方。

工夫が無いですよね。やらされる方は工夫するけどやらす方は工夫が無い。

私がプログラミング遊びにハマった時のお話をしましょう。

スーパーファミコンの「スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL」です。これのレスラーエディットがとにかく面白かった。

やり方は単純です。レスラーの名前や性格や見た目や基礎能力を決めて、このシチュエーションならどんな技を出すのかを33%ずつの確率割り振りで細かく決めていく。

試合はAIにお任せです。そのAIも多分単純な乱数のサイコロを振ってコマンド出してるだけ。

しかしこれがとてつもなく面白いのだ。

全てのパラメーターをMAXにしたら必ず勝てるわけでもない。相手レスラーとの相性と運次第では、全然格下のやつにコロッとやられたりする。適当に作った中堅クラスの能力値のレスラーが何故か格上のレスラーを食いまくってリーグ戦優勝したりする。

それだけじゃないのですよ。

試合展開そのものも、面白いレスラーと、つまらんレスラーが出来る。地味なレスラー、派手なレスラー、性格悪そうなレスラー、馬鹿正直過ぎるレスラー。何考えてるんだかわからないレスラー。

エンジニアリング的な思考なら、最短時間で勝てるレスラー、どんな相手にも勝てるレスラーが正しい。でもプロレスは違うのだよ。

プロレスは勝つことだけが目標ではないですから。個人として、興行として、お客さんを楽しませること。また来ようと思ってもらうこと。グッズを勝ってもらうこと。お客さんの記憶に残ること。色々なことが大事です。負け方に味があるレスラーだって、それはレスラーとしてはむしろ価値なんです。勝ちとも言える。

こんな単純なパーツの組み合わせで、かくも複雑で無限のバリエーションが生み出されるのかというのが、私のプログラミング遊びの原体験です。ヒューマンサイエンスなプログラミングです。人文系です。電子サイコロが生み出す、プログラマの想像を超えた複雑系の世界の面白さが好きです。エンジニアリングくそくらえです。プロレスは格闘技を遥かに超えた世界なのです。

ファイプロを超えるような人文系プログラミングのプラットフォームを作るべきです。名前は「リック・ルード」にしましょう。腰を振れ!