母校の学生運動のビラです。
私はこういうものもきちんと目を通しています。
さて、このパンフの左ページの03にある「アメリカの戦争に巻き込まれる!」というのは、具体的にどんな状況を想定しているのでしょうか?
「アメリカが無法な先制攻撃を行った場合、直接攻撃されていなくても、日本は戦争に参加することになります」
というのが彼・彼女らの主張です。あるいは、仮説です。
首相官邸のウェブサイトにある安保関連法制の改正案新旧対照表(もう10回くらい精読しました)によると、自衛隊法76条(防衛出動)の改正案では、「又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」を条件に国会承認を得るとあります。
「アメリカが無法な先制攻撃を行った場合」が「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」にどう繋がるのか。
無法なということは国際法を守らない武力行使をアメリカが行うということでしょうか? 直近でアメリカがやらかした最もダメな武力行使は、大量破壊兵器が無いのにあるといいがかりを付けたイラク戦争でしたが、自衛隊は戦後の給水や医療支援やインフラ建設にだけ参加しました。あれよりも無茶な武力行使を仮にアメリカがやるとして(イランともキューバとも手打ちした今、アメリカが遠征軍を送って潰したい国って思いつかないのですが)、それは日本国家の存立危機なのでしょうか? そんなものが国会承認を通るのでしょうか?
かなり踏み込んだ推測をすると、この学生たちの想定は、イラク戦争レベルの言いがかり戦争の戦闘に自衛隊が参加するというストーリーなのかと考えますが、日本という経済・軍事大国の存立を脅かす力を持っている国というのは、地球には三つしかなくて、そのうち一つは同盟国であり、あとの二つは隣国ですから、やるなら日本に宣戦布告して部隊を送り込んで来る、つまり個別自衛権の対象になるのではないでしょうか?
今朝、彼らのページに質問を書き込んだのですが、まだ回答をいただけておりません。
このSPARなる団体に限らず、様々な方、大学教授なんて肩書をお持ちの人も含めて、いったいどんなプロセスを経ると日本がアメリカの対外戦争に参加することになるのか、具体的で精緻なシミュレーションを提示して欲しいとお願いしてきたのですが、お前の言っていることは子供じみているとか(どっちがだよ!)、今忙しいからとか、皆さん誤魔化して逃げちゃうだけなんです。