木村雅彦先生のレクチャー「ロシア・アヴァギャルドのタイポグラフィー」

昨日はGKデザイン/京都精華大の木村雅彦先生のレクチャーを世田谷美術館で聴講して来ました。テーマは「ロシア・アヴァギャルドのタイポグラフィー」。

古典古代の碑文やカロリング・ルネサンスの書体、中世修道院のブラックレターからオールドローマン、モダンローマンという西欧の書体の進化の歴史を、メディアの特性+ホモ・サピエンスの身体性という二つの観点から説明した上で、ロシア・アヴァンギャルドのポスターのレタリングを読み解き、更にその後世への影響を検証するという1時間。

タイポグラフィーと西洋史のある程度の知識はあったので、予備知識不足で困ることもなく、存分に知的興奮を味わわせていただくことが出来ました。

古代ローマの碑文の文字はV字型の溝なので、大文字は単に線が太い細いだけではなく、そこには本来3次元の空間があるという指摘にははっとさせられましたし、ひらがなの形成プロセスから考えて、ひらがなの文章には本来タテの線が存在していると考えるべきという主張も納得です。

デザインという行為をする為の基礎としてきちんとした論理や知識がある、ということの大事さを改めて実感しました。

デザインといやあ良いってもんじゃない。

余談ですが木村先生には諸々の大恩があり、弊社agnate 2014を謹んで進呈。大変喜んでいただき、早速使いますとおっしゃって荷物を移し替えておられました。有り難いことです。