トップランナーには値上げ責任がある

先日、教え子が死ぬ思いで1枚だけ確保して参戦してきたこのイベント。仮面ライダー電王ナイト。発売2分で予約完売したという。

「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL」と仮面ライダー電王キャスト・スタッフのトークショーと仮面ライダー電王の映画2本の5時間イベントで5000円税込み!

ちなみに「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL」だけだと1800円です。

という話を聞いた息子が

「安すぎる! 8000円は取るべき。」

と断言していました。

その通りだと思います。世の中、安ければ良いというもんじゃない。

仮面ライダーの話は離れますが、ある創作分野の開拓者や創始者、第一人者には、CSR(Corporate Social Responsibikity:企業の社会的責任)として「値上げ責任」があると考えます。

第一人者には限界まで自分の創作物を値上げする社会的責任がある。

何故か。

なにかの創作分野を切り開き開拓し市場として成立させた人には巨大な先行者利益が転がり込みます。創始者であり神に等しい存在なので、誰もがその創作物を欲しがり、購入します。

神だから誰でも名前を知っています。

だから広告宣伝費や営業コストが限りなくゼロになる。財務会計上、反則レベルな優位性です。

このとき、彼/彼女が創作物を値上げせずに最初になんとなく決めた価格帯を維持し続けると、後発で参入してくる若者たちは、新規開拓コストを神より不利な収益構造の中で捻出しなければならなくなります。

なんとか一人立ち出来たとしても、神の設定した価格帯を彼/彼女が超えることは困難です。彼/彼女自身が新たな神にならない限りは。

神は自己模倣を繰り返していても売れ続けますが、後発の人々は自分の創造性を維持するためには常に自分に投資し続ける必要があります。その再投資に回る資金も、神のダンピング攻撃によって常に押さえつけられています。

誰が得するんだよ。消費者も含めて誰も得しないだろ。

逆に神がどんどん値上げしてくれれば、後発の人々は神が上方遷移した跡地でビジネスを展開出来ます。その分野が稼げる分野とわかれば、優れた才能がどんどん入ってきますし、後続を育成する資金もより多く捻出出来ます。

創始者はしばしば求道者であり、お金には無頓着だったりしますが、それは私から見ると反社会的な振る舞いです。自分一人のことしか考えていない。自分さえ良ければ良い。そういうことでしょう。あんたがそんなだから後続が食えなくなって育たないんだよ。

創造神は市場と真剣に対峙し、限界まで値上げに挑み続けるべし。