東大の中原さんという方が、「「経験バラバラ放置病」を防止するために!?」というブログを書いておられます。いわゆる「意識の高い」学生の諸々の活動が統合されないままになっている現象を問題視する意見です。
私はこの方とは違う見解を持っています。
私もハイパーアクティブな学生を沢山指導してきましたし、そういう学生生活をけしかけても来ました。
ですが、それら個々の活動の総括は学生時代にはしなくて良いと思っています。就活のエントリーシートを書く際に、それらの経験を概観した中から、一つか二つのストーリーラインを作ってESに落とし込む手助けは何度もしましたけども、それはあくまでも就活向けの簡易な中締めという位置づけ。
とはいえ、たまに学生の方から「私、色々やってきましたけど、周囲から見たら意味不明な人間に見えませんか? というか自分でも何やってるのか分からなくなってきてるんですが・・・」なんて相談されることがあります。
そういう時、私の答えはいつも同じ。
「お前はスティーヴ・ジョブスのスタンフォードでの伝説のスピーチを知らんのか?」
"Again, you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something ― your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life."
まだ学生なんでしょ? 今急いで自分の経験を意味付けしたって、どうせ先に行って全部書き換えることになるんだし、そんなことしてるヒマがあったら、もっともっと貪欲に様々なものを学び、経験しとけ。
アラフォーくらいになれば、その若者のしていることの全体像は、本人よりも的確かつ迅速に見えるものです(きちんと40年間を生きて来ていればね)。見える人には見えるし、見ている人はちゃんと見ているのだから、今は「伝える」ことなんか考えなくて良い。
私はそう思います。