学生バイトという時間と機会の浪費

現代アート作家の椿昇さん(京都造形大教授 http://unboy.org/ )が息子さんの教育方針について以下のようなことを書いておられました。

大学の学費は自分で出させる。
その替わりにバイト一切禁止で、遊興娯楽費やソフト代は全部黙って渡す。

これは立派な見識だと思います。

大学生活の貴重な時間を、遊ぶ金を得るためだけのバイトに何百時間も使うのはもったいない。例えば私を含めて他に本業がある兼任講師は、週末にわざわざ時間を割いて何かのイベントを企画することがあります。そんな時に「バイトが入ってるんで・・・」と断る学生の数たるや、8割9割のレベルです。

でも冷静に較べてみて。その日そのバイトで稼げる数千円と、その時一回限りしか学べない何か。後々の人生に効いてくるのはどっち? 

「うちの息子は、東京の学校の学費を全部自分でローンで払いましたよ。(中略)学費は出さなかったけど、でもCDとか服とか、遊びの金は全部出した。そのかわりバイトはさせない。自分で経済のシステムに金を払え。そのかわり遊びのための金は自分のための栄養だから、払ってやる。音楽や本、映画を見るとか旅行に行くとか、人間にとって一番大事なお金に不自由したら、人間自身が貧しくなるから。」(椿昇・『アートを始めるまえにやっておくべきこと』59ページ)