高校の後輩の斎木さんにお願いしてインターンさせていただいている3年生から、最初の大きなイベントを無事にこなしたとの報告がありました。
彼の音楽の趣味はいわゆるクラブものですが、今回彼が経験してきたのはアニソンです。私くらいの歳の人間からすると、アニソンなんて大したもんじゃないという感覚がありますし、実際に90年代くらいでもアニソンはポピュラー音楽の中で一段、二段、低く見られていました。
しかししかし、私も21世紀になってから初めて気づいたんですが、日本のアニソンのクオリティはヤバいですね。シンガーも(下手くそもいますが)才能豊かな人が沢山おりますし、作曲や編曲の自由さはおかしいですよ(笑) 「空耳ケーキ」なんて曲、アニソンだからこそシングルで売れたというくらいに、異常。
※各自ググってください
彼は狭義のクリエイティブ分野に進むという志望を持っていると思いますが(だから紹介した)、自分の好きな分野、自分のやりたい分野のソフトだけ集めていたら、新しいものはなかなか創造出来ないもんです。
例えば70年代のディスコものが好きな子が、中古盤屋のエサ箱をひたすら漁って家1軒分のディスコのLPを溜め込んだとしましょうか。そこでこの子に発生するのは「特定の分野内において他人が持っていない情報を沢山所有している」という、量的な優位性です。この量的な優位性が、競争における優位性として機能するのは、その競争が行われる分野の外枠が変更されない限りにおいて、です。
すんません、難しく書きました。
ある競争ゲームにおいて、手札の質と量で他人を上回っているだけの人と、ゲームのルールそのものを自分に有利なように書き換える能力を持っている人では、後者が強いという話ですよ。既に先輩方によってルールが確立された分野で新参者が勝ち上がるとしたら、先輩のパシリになって取り立ててもらうのもまあアリでしょうが、どうせだったら新しい価値観を提示してルールそのものを書き換えてしまう方が大きく勝てる。その為には、その分野の外にある情報を、競争のための資源として活用する必要がある。
彼もまた、未知の分野のど真ん中にいきなり放り込まれるという得がたい経験を手に入れたわけで、これは後々必ず彼に競争優位をもたらす資源になると思います。
それでは、引き続き無事故でお願いいたします。