クロスカンパニーが岡山の中山間地域でアートによる地域活性化を仕掛けるんだそうです。
クロスカンパニーが中山間地域をアートで活性化 第1弾はフェス
クロスカンパニーが、アートで中山間地域の魅力を発信する「"オカヤマ"アートヴィレッジプロジェクト」をスタートする。
たしかに伝統的工芸品や、(それが全てではないにせよ)美の表現をも志向したオールドマスター作品の人気は日本では高いし、展覧会には人が押し寄せます。
けれども昔も今も西洋美術で最も人気があるのが印象派つまりそれ以前の作品鑑賞に求められたような図像学的知識を必要とせず、なおかつ20世紀以降の作品のように高度に抽象的な思考も求められないものであることを考えると、アートで地域活性化なんてのは日本に本来あまり向いていない手筋のはず。
直島の成功は資金力にモノを言わせた国際的ビッグネームの集中的な投入によるものだし、金沢もそれ以前に兼六園や県立美術館、県立歴史博物館、金沢城、尾山神社、東茶屋街など膨大な観光資源集積があったところにたまたま都心部から学校が移転して、その跡地を使えたことが大きい。あそこは兼六園方面と竪町・片町方面を繋ぐ中継点になる場所だったしね。
横浜も教え子がみなとみらい開発を卒論のテーマにしたのでフィールドワークにも付き合ったし勉強も色々したけれど、トリエンナーレはみなとみらいスタートアップ期に赤レンガ倉庫の知名度を上げる役割は果たしたとはいえ、みなとみらいが観光地化したのはぶっちゃけ三菱の総力戦の成果ですよ。地所、重工、キリンね。
クロスカンパニー、今は儲かってるらしいですけど、アートの力だけで地域をどうにかするってのは基本無理だっていう現実的な視点を持ちつつ、その上で何をどう組み合わせて地域を変えていくのかを考えて欲しいですね。