ホームスタジアムでアウェー戦を戦うには

来年度の3年ゼミのフィールドは多摩ニュータウン。
自分が住んでいる土地だし、表も裏も歴史も黒歴史も知り尽くしているような人たちがブレーンで付いていてくれるし、人脈も殆どあらゆるところにコンタクト出来るくらいに揃っている。

要はオールド・トラッフォードで試合をするマンチェスター・ユナイテッドみたいなもんなわけです。

これは、凄く気をつけなければいけない点だと思う。
今年度、伊豆大島というとりつくシマのないフィールドを選んでしまったことで、その概要を掴み、懐に入り、人脈を作り、何か出来ることをやるという一連のプログラムのハードルはかなり高かった。だからこそ、伊豆大島ってどんなとこなんだろう、自分たちに何が出来るんだろうということを、嫌と言うほど考えさせることが出来た。これは、それぞれ自分だけのフィールドを見つけて卒論を書き、仕事を身につけていかなければならない学生たちにとって、とても大切な訓練になったはず。

フィールドを探索し、自分たちなりの空間把握を行い、フィールドで発見したものに自分たちの手で意味づけを行い、フィールドの内外に自分たちなりの関係性を構築していく。この段階を省いたプログラムは、教える側にとっては実は楽なのだ。いつもの顔なじみのところに連れて行って、いつものレクチャーをしてもらう。これを回していって、最後にいつも通りのアウトプットを出させて卒業していただくというのは。コミュニティビジネス体験をパッケージツアーにして売っているところも最近はあるみたいだけど、それは教育としては2流以下だと思う。

ホームスタジアムでアウェーの戦いをやらせるにはどうしたら良いのか? もう少し考えてみよう。