いよいよホクレアがミクロネシアへ旅立つということで、ハワイに見学に行かれた方もそれなりにいらっしゃったようです。中には出航準備中のホクレアに乗船させてもらえたとか、マイスの艇庫まで行けちゃったとか、果報者もちらほら。うらやましいですね。
さて。その2艘はこれからミクロネシア巡礼の航海なわけで、もしかしたら・・・・・ハワイとは訳が違いますからよもやとは思いますが・・・・ミクロネシアに2艘を見に行こうという計画を立てておられる方もおられるのかもしれません。それは私は非常に良いことだと思います。何と言ってもこの航海のハイライト、クライマックスはミクロネシアですから。そしてホクレアに代表される航海カヌー文化復興運動の震源地、最初に種を撒いたのはミクロネシアの人々だったことを忘れてはいけません。そのミクロネシアが日本の隣国であること、前世紀には「南洋諸島」という名称で日本が統治していたことも。
ただ。ヤップやチュークのようにある程度外部の観光客慣れしている所ならともかく、サタワルのような離島まで行く場合には、一つ大事なポイントがあるようです。「酋長さんへの挨拶をしよう!」
もちろんヤップ本島だって酋長さんたちの権威は非常に強いのですが、それはあくまでも裏番みたいなもので、表向きには成文法があって、観光客はそちらに従っていれば取り敢えずよろしい。ですが離島まで行くとなると、そうもいかないらしいのですね。何はなくとも島の酋長さんたちへの義理は欠いてはいけない。実はカロリン諸島でフィールドワークして何十年のメッツガー兄から聞いた話なのですが、日本のメディア関係者はたまに酋長さんへの義理を欠くことがあると。例えば島を辞去する時に、酋長さんに挨拶をしないで帰ってしまう。取材して帰って番組なんかを作ったらしいのに、ビデオの1本も送って寄越さない。礼儀を知らない奴らだという話になる。まあ、これについてはアメリカ人でも過去に大問題を起こした方がおられるそうですが・・・・。
まあ、ともかくですよ。お世話になったら挨拶はする。これって実はミクロネシアとか離島とか関係無く、どの土地でも当たり前のことなんですよね。ネット時代になって気軽に情報がやりとり出来るようになった分、その辺りがおろそかになりつつある気がしないでも無いですが、不義理を重ねれば結局は積もり積もって自分(のみならず外国では日本人全体)を下げることになるだけですから、いい大人ならばここは何としても押さえておきたいですよね。