信頼関係の構築という初手の初手をすっ飛ばして成果は得られません

去年、東京都人権プラザで飯山由貴が障害者をテーマにした企画展に関東大震災の朝鮮人虐殺をテーマにした作品を押し込もうとして断られて怒りの記者会見をしてたという騒ぎがあった。

実は東工大の伊藤亜紗研究室が絡んでいた(ダメとは言っていない)

そもそもなんでそんなカテゴリーエラーなものを押し込もうとしたのが謎だったのだが、OSINTでわかる範囲で情報を整理すると、東京都人権プラザの非常勤の学芸員として東工大の伊藤亜紗の研究室の博士課程院生の村上由鶴が2021年9月から勤務しており、飯山由貴の個展は彼女が企画したものだったという。

伊藤亜紗といえば一般向けの啓蒙書で超人気、なおかつ身体障害が専門なので、そこの院生さんならと思って採用したら実はバリバリのフェミニズム系の人だったということか(とはいえ今もクビにならずに学芸員として勤務出来ているのだから、それなりに懐が深い組織にも思えるのだが)。

そして、あれがいまだに揉めているというか、飯山由貴と支援者たちが定期的に都庁の担当部署に何十人も人数を揃えて押しかけては文書を渡そうとしたりということを続けているのを知った。

実は明日も都庁で大規模な抗議デモをやるのだとか。

人権も国際世論も完全無視の軍事独裁国家しかも隣国、が絡んでいるとなかなかピースフルには対応出来ないですよね・・・

実はこれは小池百合子に関東大震災の朝鮮人犠牲者慰霊祭への追悼文を送らせる運動の一部になっていて(最初から意図したのか、揉め事を利用したのかはわからない)、同じ流れなのか官房長官に関東大震災における朝鮮人虐殺についての見解を共同通信の記者が聞いたり、森達也が同じテーマのドキュメンタリー映画を公開したりという具合に、ともかく伝統左翼の人たちの間では、今年下半期のテーマの一つになっていることが察せられる。

もちろん歴史学的に事実であることが動かしがたいものを事実ではないとするのはトータリーNGで、そこのところは小池百合子も都議会できちんと明言しているのだが、それならなんでこんな揉めるんだろうというところが問題である。

活動家側が勝利条件としているのは、有名政治家から言質を取ること。

では有名政治家はなぜ、言質を取られることを嫌がるのか?

真の問題はそこにあるはずだ。

例えば先年、ドイツの国会がドイツ帝国時代のナミビアでの先住民ジェノサイドを公式に認めた。

そして「犠牲者らが被った計り知れない苦しみを認識する証し」として、ドイツは11億ユーロ規模の経済援助事業を通じてナミビアの「復興と発展」を支援すると表明した。

なぜこれが可能だったのか。あくまでも推測だが、少なくともドイツとナミビアは遠く離れているので、ドイツにとってのナミビアは、自国領海にICBMを毎月撃ち込んできたり軍艦や戦闘機を強引に突っ込ませてくるような礼儀正しく愛すべき隣国という関係ではない。

そして実はナミビアはドイツ系住民が意外に多く(20人に1人くらい)、ナミビア経済はドイツ系が牛耳っていると言えるような関係性でもある。

それならまあ、ごめんなさいの言葉が逆に燃料にされるような心配も無かろうとなる。

お互いに信頼しあい、尊重しあえる隣国同士であれば難しいことは何もないのだが、軍事独裁国家やポピュリズム国家のご近所さんとは慎重にお付き合いしていかないと・・・。

雑にまとめるならば、飯山由貴と東京都も、小池百合子と朝鮮人犠牲者追悼式典も、あるいは日本国と周辺の独裁国家群も、信頼関係の構築という初手の初手をすっ飛ばして成果は得られませんよねえということなのだ。

そして当日

小池百合子や都職員の行動変容を促すという点では効果ゼロのやり方だが、実際に参加した人たちが夏祭りみたいな雰囲気でめちゃくちゃ楽しそうなので(見ている私も楽しくなった。イヤミ無しで)、実は飯山由貴も支援者たちも結果的にはエクステンデッドゴールまで達成の大勝利な一件になったんじゃないのかな。

小池百合子が都知事である限り飯山由貴への塩対応は絶対に変わらんだろうが、こうなったら毎年9月1日に小池百合子抗議ダイイン&レイヴをあと50年続けて、現代アートとして昇華させて欲しい。

ただし水分補給はこまめにな。

「れいわ・共産問題」なんて言葉が

山本氏:「れいわ・共産問題」ってのがあるとみています。あそこらへんが「増税反対」って声高に言うもんだから、れいわや共産が嫌いな人たちが増税賛成に回っているような節があるんですよ。調査を見ていると。

西田氏:かもしれませんね。

山本氏:そうしたマイノリティ政党が起こしている風評被害は大きいですよ。沖縄や福島でのことはたくさんありますけど、この消費増税の件もかなりやらかしています。「あいつらの話は信用できないから、消費増税はやむを得ない」っていう人、わりといるんですよね。

 政策面だけじゃなく、投票動向を見ても、れいわ新選組も日本共産党も支持率はたいしたことないのに、負の支持率、いわゆる「絶対に投票しない先」としては自由民主党と並ぶ嫌われぶりになっている属性も少なくありません。

 これは調査屋の汚点でもあるのであまり言いたくないんですが、これまで世論調査では支持政党を聞いてきたんです。でも、これから大事なのは「各政策別の興味」や「支持しない政党」でしょう。最近の調査では、ここをちゃんと聞くように心がけるようにしています。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/77143?page=7

あんまりやりすぎると、ほんと「あいつらの言うことはとにかく全部NGにしてやれ」というヘイト値が上がりすぎるので、ほどほどにしましょうよ。ほどほどに。