アウドゥケルク、のようなもの。

 今日はスカパー!でサイクルロードレース「ツール・デ・フランドル」を観戦しました。フランドル。3巻の舞台となったあのフランドルです。フランドルのボコボコの石畳をあの細いロードレーサーのタイヤで爆走するという、見ているだけでも手首が痛くなってくるレース。しかも石畳の大半がヒルクライム区間に・・・・・あれ?

 何故。何故、フランドルでヒルクライムなのか? イニゴ坊も書いていたではないですか。ひたすら平坦な土地だと。

 急いで私は大会の公式ウェブサイトを見ました。コース図を確認する為です。しかしあれですな。単なる地図ってのは起伏がわからないのですな。

 頼りになるのはgoogle earthです(上記リンク左端)。kmzファイルをダウンロードしてグーグルアースで表示してみると、おお、なるほど。フランドルと言っても西の方は若干起伏があるんですねえ。これは知らなかった。そりゃそうだよな。フランドルの全部が干拓地だったら、フラマン語なんて発生出来ないもんな。

 面白いからグーグルアースでブレダも出してみました。現在のブレダの空撮写真が見られて楽しいっすね。

 ついでにあの謎の町、アウドゥケルクも探してみましたよ。といってもカタカナで「アウドゥケルク」なんて入れても出てこない。スペルはOudkerkです。3巻冒頭の原文はこんな感じ。

「La ciudad, que no era sino un pueblo grande, se llamaba Oudkerk y estaba en la confluencia del canal Ooster, el río Merck y el delta del Mosa, que los flamencos llaman Maas. Su importancia era más militar que de otro orden, pues controlaba el acceso al canal por donde los rebeldes herejes enviaban socorros a sus compatriotas asediados en Breda, que distaba tres leguas.」

 しかしこれでは出ませんでしたね。でも似たような名前の町ならあった。Ouderkerk。

 ブレダの北、およそ37キロ強の位置。というよりはロッテルダムとゴーダの間という方が探しやすいですね。集落の名前はOuderkerk aan den IJssel。残念ながら現在のいかにもニュータウン的な集落は1985年以降のものだそうです。町(というか村)の歴史は13世紀に遡りますが、「アラトリステ」に出てくるアウドゥケルクとは違って帝国自由都市ではなく、やはり単なる集落だったようですね。

 ちなみにブレダの北、およそ16キロの所にはマース川の三角州がありますが、こちらは都市ではない、ただの三角州なので、やはりアウドゥケルクではないです。