3巻の見本がO内のところに届いたそうです。そこから私んとこに転送されて来るので、最も早くて私が見本を見るのは明日。発売日が明後日ですから、フライングゲットの方(それだけの情熱を持っている読者が居ればの話だよね、という無粋な嫌がらせは無しよ)と殆ど変わらないですな(笑)。
さて。思い起こせば1巻から既にピストルをぶっ放したり、仲間の短剣を拾ってマラテスタ師匠に突きかかったりと、大概のアーバン・ファイトは経験して来たイニゴくんですが、この3巻ではいよいよ本物の戦場を知ることになります。戦闘時もそうですが、戦闘が始まる前や終わった後にさえ、幾つもの人死にに関わって、彼の内面は変化していくのです。
その彼の得物ですけれども、1巻では隊長の剣やピストルを運んでいるだけでした。2巻では短剣を拾いましたが、すぐに師匠に取り上げられて終了。しかし3巻では彼も自分の得物を携帯しています。短剣です。出世したなあ、おい。じゃあ4巻では何を持って出てくるのかは、さらなるお楽しみとして。
イニゴくんがようやく手に入れた短剣、具体的にはどんなもんだったのでしょうか。ちょっと思い浮かべて下さい。想像付きますかね?
例えば日本列島には中世以降、短刀とか脇差しという短い片手剣がありましたね。でも刀身長はあれよりも短いです。スペイン語ではdagaと書く。英語ではdagger。たしか「ロード・オブ・ザ・リングス」で隊長の友達が持っていたあれ・・・・「突っつき丸」でしたか・・・英語ではStingというあの刃物。あんな感じです。
要するに両刃(刀身の両側に刃がつけてある)で刀身が湾曲していない短剣ですね。ランボーが持っていたような片刃のサバイバル・ナイフを想像しちゃ駄目ですよ。イニゴくんの3巻の相棒はこれ。ダガー。最初から最後まで同じ個体を使っていたのかどうかはよく分かりませんけどね。
(これはまさに彼と同時代、17世紀初頭スペインのdagaのレプリカだそうです)
ちなみに4巻でも彼の腰には常に短剣がぶら下がっているのですが、4巻では何故かこういう書き方をしてある。
daga de misericordia
ダガ・デ・ミセリコルディア。「とどめの短剣」とか「慈悲の短剣」と訳します。本当です。戦場で助かる見込みの無い負傷兵にとどめを刺すのに多く用いられたからだそうです。