まずはこれ見てください。
1枚目。我らがケベード爺の肖像。
続いてベラスケス先生の肖像というか自画像・・・・要するに「ラス・メニーナス」の中のベラスケス先生。
最近気づいたんですが、こいつら同じ服着とるやんけ。
これがあの有名な「サンティアゴ騎士団」のマークです。巨神兵でも飛行兵でもないの。2巻ではいきなりこの服を着てケベ爺が登場しますが、あれ? 1巻ではそういう描写無かったかな? ともかくこれがケベ爺自慢の一着ですよ。2巻のテーマはこの扮装にかなりダイレクトに関わってくるので、発売までは詳しく語るのを控えますけども、ここで軽くサンティアゴ騎士団について説明しておきましょう。
「カピタン・アラトリステ」シリーズに登場する騎士団といえば、勝ち組の代名詞たる「金羊毛騎士団」と、ケベ爺も所属の「サンティアゴ騎士団」です。前者は基本的に爵位貴族以上でないとお呼びがかからないような、お高い騎士団ですね。作中に登場する人物でこの騎士団に入っているのは、国王フェリペ4世陛下(騎士団長でもあらせられます)と、3巻で登場の悲運の名将アンブロジオ・スピノラ閣下くらいかな。いや、多分オリバーレス公伯爵も入っていたかもしれない。グアダルメディーナ坊は架空の人物なので、公式の騎士団の記録には登場しません。
アンブロジオ・スピノラ閣下はもともとジェノバの実家がセストおよびベネフロ侯爵の爵位を持っていたので、金羊毛騎士団はそちらのタイトルで登録されてますね。彼がグランデッツァ(国王の前での脱帽と起立を免除される特権付きの大貴族)のロス・バルバセス侯爵家創設を許されるのは多分1611年。彼の入団の数年後です。
話を戻して「サンティアゴ騎士団」。こちらはもともと、サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路の治安維持を目的として12世紀中葉に創設された騎士団でした。それがレコンキスタの過程でカスティリア王家と結びつき(というか癒着して)、ケベ爺のころには騎士叙任権も国王が持っておりました。
騎士団入団の資格も色々と変遷があったのですが、ケベ爺のころは先祖に4人の爵位貴族がいることとか、そんな感じです。これは17世紀中にはさらに緩和されて、男系祖先にどこかの時点で爵位貴族が居たらオッケーとなったようです。
他にもこの辺は少しエピソードがあるのですが、これは2巻ネタバレなので、発売日以降のお話といたしましょう。