Pwoの儀式・続報

 来月に行われるPwoの儀式について、もう少し調べてみました。

 舞台となる島はチューク州の西部の海域にあります。チューク環礁から西に120キロくらい。プルワット環礁の真北、こちらは20キロくらいしか離れていないですね。

 さて、なんでも1997年のPwoの儀式では、導師は他の島から呼んだのだそうです。真南にプルワット環礁があるのでプルワット環礁の航法師を呼んだと思いきや、さにあらず。この時に導師を務められたのはエペイメイ師という方で、サタワル島から来られました。実はエペイメイ師はマウ・ピアイルック師の師匠筋に当たる方なんだそうです。ちなみにエリック・メッツガーさんによれば、エペイメイ師は前回のPwoのすぐ後に亡くなられたそうです。

 それにしても、プルワットのすぐ近くなのに、サタワルから導師を呼ぶってのは面白いですね。実はサタワル島とプルワット環礁は、伝統的航海術についてはライバル関係にあるんです。お互いに、意識しあっている。これについて、ミミ・ジョージ姐御は、1997年にPwoを受けた方がサタワル出身で、現在はチューク州に住んでいる(サタワルはヤップ州)という関係で、わざわざサタワルから呼んだんだよ、と教えてくれました。

 今回、導師をされるのは、おそらくランバート・ロコプエという方。この方は実は政治家としてもそれなりの地位にあって、現在でもチューク州政府の幹部一覧に名前がありますし、以前はチューク州の州知事をされていたこともあるらしいです。

 ロコプエさんの力もあったのかどうか、2002年にはミクロネシア大学チューク校に伝統的航海術のコースが開設されて、今回再びPwoの儀式を行う島から航海カヌーが運ばれたのだそうです。マイク・オロデイさんという方が建造された航海カヌーで、このマイクさんが航法師も務めてチューク環礁まで運んできたのだそうです。

College Of Micronesia Chuuk Campus Teaches Traditional Skills, Sailing