来月、ミクロネシアのどこかで。

 ミクロネシアの航海術、特に航海術を学んだ人が一人前の航法師として認められる為のPwoの儀式を中心に研究しているエリック・メッツガーさんからメールが届きました。

 何でも、来月にミクロネシアの某所でPwoの儀式が行われるのだそうです。それで、その島では1997年にもPwoの儀式を行ったのですが、その際に何と日本から撮影隊が入っていたのだそうです。その時に撮影されたビデオがどうなったかを知りたいので、お前ちょっと調べてくれと。

 丁度その時、私はスペインの古都の地下牢で異端審問に興じていたのですが(そういう場面の翻訳をしていた)、心は一瞬にして南の島ですよ。早速、その撮影を行ったとおぼしき映像プロダクションに電話。そうしたら、一発でビンゴでした。なんでも、1997年にNHKが放映した「黒潮:生命の海流」という番組の取材の一環として、チューク州のポンナップ島という所に行かれたのだそうです。同行されたのは民俗学・文化人類学の大御所、小松和彦さん(現・国際日文研教授)。小松さんは1980年代末にこの島で調査をされたようで、何本か論文も書かれていますね。

 撮影をされたプロダクションの方の話では、実は番組では放送しなかったPwoの儀式の映像が大量に存在しているんだそうです。他にも、台湾の先住民の伝統カヌーの建造とそれに関わる儀礼を克明に記録した作品を製作中だとか。すごい。

 なんとか、ポンナップ島のPwoの儀式の映像も見られるようになると良いですね。期待しておきましょう。