今月に出たTarzan別冊『Jane Beautiful2 本当の「キレイ」な暮らし方』の中に、かなりまとまった量のホクレア号特集があり、昨年の「Navigating Change」プロジェクトの時にホクレア号に搭乗された内野加奈子さんのインタビューも掲載されています。
偶然女性誌の棚を見たら置いてありました。女性誌の棚を見ない人は永遠に気づかないかもしれません。
さて、「Navigating Change」のウェブサイトにKanako Uchinoというモロに日本人な名前があるのは以前から気づいていましたし、昨年のOCCJ帆漕サバニ・エクスペディションや『Coyote』でも名前を見かけていましたけれども、内野さんが実際にどんな活動をされているのかはこれまで不明でしたので、このインタビューは面白かったですね。ホクレア号がどのようにして学術研究と関わっているのかが、内野さんの個人史という形で見えてきます。
日本ですと、理系の院生は別名「ソルジャー」と呼ばれていまして、だいたい研究室のボスの研究の手伝いに忙殺されるんですが、内野さんもなかなかお忙しい日々を送りつつ、もっぱら学者としてホクレア号の航海に関わっておられたようですね。
ちなみに記事の中で、北西ハワイ諸島がゴミで埋め尽くされているという話がありましたけれども、これ、実は先日NHKが放送した「地球ふしぎ大自然」でも同じ話がありました。というか、NHKの番組は明らかに「Navigating Change」プロジェクトを取材したものでしたね。ホクレア号は出てこなかったですが(ハワイアン・モンク・アザラシの番組です。再放送があったら是非ご覧ください)。
それによれば、ハワイ諸島というのは海流の関係で、太平洋中のゴミが流れ着くんだそうです。コンピュータでモデルを作って解析したCGも出てきましたが、たしかにハワイ諸島に太平洋中からゴミが殺到していくんですね。特にタチが悪いのが漁網。捨てられた漁網が次々にハワイアン・モンク・アザラシを殺していっている。ハワイって飛行機で行くとこだから、日本とは繋がってないと思うかもしれませんけど、太平洋側でゴミを捨てたらそれはいつかハワイに漂着しちゃうんですよ。
ホクレア号がハワイ諸島の環境保護に取り組んでいるのは有名ですよね。「Malama Hawai'i(ハワイを慈しむこと)」というキーワードが25周年記念式典のポスターにもドーンと出ていますし。つまり、ホクレア号の活動に逆行するようなことも、日本はやってしまっているわけです。ホクレア号に癒されてる場合じゃないんですよ。実は。
ゴミ、捨てちゃダメですよ。ホクレア号が来る時はみんなでゴミ拾い大会でもやりましょう。
ちなみに日本が(も)大量の漂流ゴミを排出しているダメダメな国だという事実はこちらのRyuさんのブログ記事で。こんな下りがありますぜ。
「しかし腹が立つのが、モーターボートで釣りやシュノーケリング(というか密漁)に来ている連中や、漁師。僕がゴミを拾い集めているのを横目で見ながら、ボートの上から缶やタバコの吸殻をポイと捨てくさる。
今捨てられたばかりのゴミを、ソイツの目の前まで行って無言で拾ったこともあるが、本人たちは悪いことをしたとさえ思っていやしないので悪びれもしない。変なヤツが変なことやってるってな目で、かえってこっちを胡散臭そうに見るだけである。
あ、そういえば堰堤からの釣り人もけっこう捨ててたなぁ。海水浴客が、スイカの皮を子供に海に投げ捨てさせているところも目にした。
ゴミを拾ってみれば、故意に捨てられたと思しき釣具、漁具の多さにもうんざりする。」
本当に漁師がゴミを捨ててるんだとしたら、哀しいですね。ブラッド・クーパーさんは、「ホクレア号は日本の漁業文化に非常に興味がある」と言っておられましたから。