酒席での安全のために知っておくべき幾つかのこと。

ショットグラス1杯30mlとしても、かける20だったら600mlのウォッカですか。

それに加えてビール。

エクストリーム過ぎるチャレンジです。危険な自撮り行為で生命を落とすインスタグラマーに似ているように感じます。
お酒についてよく知らない人のために解説しておくと、ウォッカというのはアルコール含有率が非常に高いお酒で、全体の40-50%がアルコールという代物です。同じようなアルコール度数のお酒にはィスキー、ブランデー、ラム、ジン、テキーラなどがあります。これらを「スピリッツ」と呼びます。
ワインや日本酒は同じく12%前後、ビールは5%前後です。
人により差はありますが、健康上のリスクを発生させないアルコール摂取量は、ウォッカであれば30ml/日くらいです。ビールであれば350ml/日くらい。

スピリッツをストレートで一気飲みしている人は一度だけ見たことがあります。1993年の夏、立教大学の軽音楽部の合宿で1年上のギターの某氏(当時既に卒業生。部長経験者)がホワイトホース(ウィスキーの銘柄)を瓶ごと一気飲みしていました。

そんなこと可能なのかと思って驚いて見ていたのですが、その後どこかで吐いていたらしいです。よく生命を落とさなかったなあと今にして思えばヒヤヒヤです。当時の顧問は私の記憶が確かならば、後に立教大の総長になった吉岡知哉氏でした。吉岡氏にもキャリアの危機が密かに存在したわけです。あの時、元部長が生命を落としていれば、吉岡氏が総長になれたかどうか。。。。

ところでこの事件、飲み会に参加していなかった下級生5人が介抱のためにわざわざ呼び出された上に、介抱に失敗したという理由でご両親に刑事告訴されていて、つまり一気飲みを制止せず自分たちで適切な救護もしなかった上級生たちより深刻なキャリアの危機に陥っているようです。なんだか不条理な気もします。

大阪 東大阪市で開かれたテニスサークルの飲み会で、ビールやショットグラス20杯分のウォッカを一気飲みしたあと、呼びかけに応じなくなりました。

介抱するために、飲み会に参加していなかった2年生のメンバー5人が呼ばれ、救急車を呼ぶことを検討しましたが、その場にいた3年生に相談した結果、「いびきをかいているから大丈夫」と判断し、友人の自宅に運んだということです。

翌朝、様子がおかしかったため、救急車で病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。

司法解剖の結果、急性アルコール中毒の影響で吐いたものがのどにつまり、窒息死したとみられています。

両親は、救急車を呼ぶなど適切な処置をしなかったことが原因だとして、介抱に関わったサークルのメンバー6人を去年12月保護責任者遺棄致死の疑いで警察に告訴しました。


居酒屋のフロアに監視カメラと画像認識AIをつけといて、一気飲みをしそうな客が見つかったらサイレン鳴らすくらいの対策が必要なのかもしれません。
最後になりますが、これを読んでいる未成年の方に、心よりの忠告。
スピリッツを600ml、一気に飲むのは言葉通りの意味で自殺行為です。生命を落とす可能性は極めて高いです。遮断器が下りた状態の踏み切りに進入するよりも死に近づく行動なのではないかと思います。絶対にしない。させない。
また、万が一、既に大量のスピリッツを飲んでしまった人を見つけてしまったら、直ちに救急車を呼びましょう。この事件で明らかになったように、救急車を呼ばなかったことであなたが牢屋に入れられる可能性があります
また、これはとても大事なことですが、大量のスピリッツ(ここでは45ml以上としておきましょう)を一気に飲む人やそれを促す人、それを制止しない人とは、原則として酒席で同席しないことが最善です。無謀な暴走・煽り運転をする人の車に乗り合わせるようなものです。あなたの人生が危険に晒されます。サークルの先輩の呼び出しも断りましょう。そういうことをするサークルからは脱退すべきです。愚か者には関わってはならない。