ファイナンスと批判

世の中には多くの無料イベントがあります。

例えば大型書店で開催されるアイドルサイン会。
ショッピングセンターで開催されるアイドルミニライブや特撮ヒーローショー。
自治体や国が開催する文化イベントやスポーツイベント。
手弁当のボランティアが運営する地域イベント。
これらは入場料という一点を見ればどれも「無料」ですが、ファイナンスという側面を見るといずれも異なっています。ファイナンスとはここでは資金調達という意味です。
商業施設のイベントは集客のために行うものです。その費用は投資であり、その投資額以上の利益がイベントによる集客で発生することを狙って支出されます。
国や自治体のイベントは何らかの公益の促進を意図し、税金を主な原資として支出されます(スポンサーとのタイアップによる商業イベントとの相互乗り入れスキームもあります)。
手弁当ボランティアによるイベントはそれぞれ、その手弁当を支出するに値いするという合意形成が完了した目的のために行われます。
これらの、異なったファイナンス構造を持つ無料イベントについて課題を発見した際の指摘のスタンスを私は以下のように決めています。
商業イベント、手弁当イベント:課題を発見したという文章を公開はしますが、無料なのですから「だからこうしろ」ということは言いません。「こうした方が良いかもしれない」と言うだけです。
公営イベント:税金が原資の一部である以上、課題については「こうするべきだ」と指摘します。