エリート度とバカ度は正の相関にあるのかという難問。
私の人生、思い返してみるとバカ集団の中にいた時期が長かったのです。
東海中学校・高等学校オーケストラ部。
みなさん本気で名古屋フィルハーモニーをライバル視してました。←バカ
東海高校演劇部。
みなさん本気でプロの劇団より面白い作品を仕上げられると思ってやってました。←バカ
立教大学軽音楽部。
みなさん本気でプロのミュージシャンと同レベルのライブをやろうとしてました。←バカ
大学を出てしばらく参加していた幾つかのバンド。
みなさん本気でプロのミュージシャンになろうとしてました。←バカ
金沢大学大学院三井徹ゼミ。
みなさんプロの研究者と同レベルの論文を書くつもりでした。←バカ
バカばっか。
んなもん出来るわけないじゃん。
でもこの集団のどこからも本物のプロが出た。いっぱい出た。
オーケストラ部からは指揮者の角田鋼亮くん他、何人もクラシックのプロ奏者が。
演劇部はずっと手伝ってくれてた他校の仲間がプロの舞台監督。手がけてるのはほんまもんの世界の頂点レベルのバレエやオペラ。
軽音も先輩に(多分後輩からも)プロがいっぱい。
バンド仲間ではアクアマリンのコンポーザー/キーボーディストの三橋くん。
三井ゼミは20人に満たないOBOGからプロの研究者(博士号アリ、教歴アリ、著書アリ)が4人か5人。
そんな半生だったから、何か新しい仕事に挑戦するときも、最初からプロレベルのものを作ろうと思ってやってきました。成果物のレベルが低いのは最初は当然ですが、駄目出しが来ないようにともかく常に全力全開。それでも必ず頂いてしまうことになる真っ当なクレームや駄目出しには感謝で対応。
それが当たり前だと思っていたんですが、どうやら世の中違うのだ。プロじゃないからとか、初心者だからとか、言い訳付きで手抜きの成果物を出す。普通にある。いくらでもある。というかそれが当たり前らしいのだ。言い訳を準備して探して添えて、が。
東海や立教が名門校だから? いやいやバンド仲間には中卒も2人おりました。中卒だったベーシストの仲村貴くんは今はプロのローディーやってるとか。エフェクターのセッティング詰めずにスタジオ練行ったとき彼にめっちゃ怒られたのもいい思い出。なんだよその音は。スタジオ練の時間無駄にしやがってって。
逆にやんごとなき名門校のご出身でも、怒られない最低限レベルしかお仕事しない方々も数多く見て参りましたよ。
サークル活動や同人活動は楽しさを求めてやるもので、プロと競うなんてのは不要です。一切要らないと思います。基本的に。だから私が常に変なサークルに居たことは確実。
逆に大学院や「プロを目指すことが共通理解としてあるバンド」では、プロレベルを目指さない人は目障りなだけです。
学部はどうだろう。思い返してみると加藤ゼミの最終成果物は、到達度は別としてプロレベルを目指して取り組んでくれていた学生が少なくなかったような気がする。あれは特別な集団だったのか。そういえば後にプロのクリエイターになった人も何人もおるな。
当然ながら、仕事の場では、未経験のタスクであってもプロレベルを最初から目指さない人は。まあその程度の器の人ですよ。しょうがない。それはもうしょうがない。そう割り切るしかないと最近思ってます。それよりは、本当に上を目指したいという若者にだけサポートを集中させた方が良い。
たまには本当に言い訳無しの本気も良いもんだぞ、諸君。