芸能の道を真摯に目指した人材を会社で雇うという選択のメリットについて考える

 これ、2年前の記事なんですけども、あーいかにも大手企業でだけ仕事してきた幸せな御仁の感覚だなって思います。
実際、冒頭の打ち合わせの最中に編集長の吉岡綾乃さんにこの話をしてみると「うーん、確かに35歳で未経験なら採用しませんよね」とのこと。その理由を尋ねると、未経験がダメというわけではないし、35歳という年齢がダメというわけでもない、35歳で経験がないことがダメだと言うのです。このコラムを書くにあたり、何人ものに同様の質問をぶつけてみましたが、みんな似たような回答でした。ごく一般的に考えると、35歳には35歳のビジネスパーソンとしての能力や経験を「求めて」企業は採用しますし、当然それなりの能力を持っていることを期待しています。
 仮に私が中小企業を経営している、あるいは中小企業の経営に参加しているとしたらですね、音大出てバイトしながらプロを続けてきた35歳を採用しない理由は無いですね。
理由は以下の通りです。
・音大出ということは、そこそこお金のある家の子弟なので、文化的な階層はヤンキー文化よりは上に位置するはず。
・35歳までプロミュージシャンとして頑張ってきたならば少なくとも真面目で頑張り屋な人であろう。
・踏まれたり蹴られたりした経験も沢山あるだろうし、書類上のキャリアが見劣りするぶん、勘違いしたプライドも無いのではないか。
・どっちみち正社員で35歳でもよほど優秀な人でなければ、ミドルマネジメントの経験は無いだろうし、我が社は35歳でまともな会社の課長や部長をやったような人は採用出来るわけが無い。
・要するに他社が避ける属性があるぶん、掘り出し物である可能性が大きい。
 実際ね、大手企業様はゼータク過ぎて逆に変な人材掴んでますよ。私は知っている。名の通った4大卒の五体満足日本国籍持ち男子を総合職に、同じく女子を一般職にアサイン。そんな不自由な人材プール縛りするから、大学でチートの限りを尽くした地雷人材も一定割合で掴むわけだ。私が中小企業経営者だったら塩まいて追っ払うようなのでも、上記仕様なら目をつぶって掴む。そんなのより大学出て何年か芸能の道に真摯に挑戦して夢破れた人材のが絶対良いですけどね。
 私の教え子で俳優目指してる二人、どっちもアタマの出来はメーター振りきれてますし、努力する才能も自律性も普通に日本でサラリーマンやってる大卒の30倍くらいあります。10年サラリーマンやったボンクラを1年で追い抜く力持ってますな。