水樹奈々さんを初めて聞いたけれど俺の嫌いなロキノンのアンチテーゼとしてまことに素晴らしいと思った

機会があったので(というかポイントが溜まってたんで)水樹奈々さんのアルバムを取り寄せてみました。

現代アニソン歌手の頂点の一人との認識で多分よろしいんですよね(他には誰でしょうか)? 

2010年代日本のポピュラー歌曲にはとんと疎いのですが、これは私にとっては大変新しい音楽でした。色々な意味で超強力な萌え声歌唱。嫌いじゃないです。曲風もバラエティに富んでいて楽しいです。

現代のアニソン(や大手事務所のアイドルグループの音楽)の新しさは、20世紀から21世紀に変わるくらいの時期にのさばっていたいわゆるロキノン系の音楽消費へのアンチテーゼのように、これを聴いてあらためて感じました。すなわち

「ビジネスですが何か問題でも?」
「歌手や楽器奏者の個性や個人的才能ではなく、プロダクションチーム全体での集団戦でやっているクリエイティブワークですが何か問題でも?」
「マーケティング徹底的にやってますが何か問題でも?」

という辺りです。スカッとします。LOVEマニー! エヴリバディSAYウィLOVEマニー!! お金大事!! みんなで頑張って儲けてみんなでちゃんと生計立てようぜ!

70年代末のニューミュージックや80年代バンドブーム90年代ロキノンミュージシャン、カネ儲けについては熱く語らなかったですよね。結果的に生き残った人たちはみんなお金儲け巧かった癖に。マニーに興味無いみたいな顔しやがって偽善者どもめ。そういう苛立ちを水樹奈々さん癒してくれる感じ。

ロキノンは歌手やバンドメンバーじゃなくて営業担当とか経理担当とかスタジオミュージシャンの皆様にそれぞれ2万字インタビューお願いしてバリバリ掲載するようになったら手にとってみようと思っています。歌手の自分語りなんか200字でお腹いっぱいですが、裏方さんたちの良質なインタビューはコンテンツ・ビジネスの現状を知る上でも大変有益な資料ですからね。

そんな日が来ると良いな。