もしかしたら、そのマイノリティの人とその学生とで、そのモチーフを洋服のデザインに応用することが出来るかもしれませんよね。
更に他のゼミ生で、例えば私が担当している2年ゼミからファッション写真を撮影する技術を身に付けた人が来るかもしれません。
加えて、書籍編集・デザインの勉強をしているという人材も現れるかもしれません。
とすれば、マイノリティのモチーフによる洋服デザイン→それを使ったファッション写真制作→フリーペーパー制作と配布というような流れが作れるかもしれませんよね。
ちなみに私の2年ゼミではファッション写真制作の実習もしましたし、現在はフリーペーパー制作に取りかかっています。
そのフリーペーパーのコンテンツとして、文章の得意な人が、調査させていただいたマイノリティについての様々な情報を書いたらどうでしょう?
写真や文章が魅力的なものであれば、そのマイノリティのコミュニティの持つ文化の市場価値そのものを上昇させるきっかけになりえます。
文化の市場価値が上がれば、エスニックツーリズムなどのアクティヴィティも、商品企画として成立しやすくなりますし、そのコミュニティへのキャッシュフローを太くしていくことが出来ます。
世の中、お金が全てではないですが、お金があればやれることも沢山あります。
2:再来年度はやはりマイノリティをテーマにした卒論を書くことになりますか?
卒論のテーマに関しては、必然的にマイノリティに関わるものになります。が、おそらく皆さんが思っているよりもマイノリティというテーマは遙かに間口が広いものです。
少なくとも「しゃかげん」でやっているテーマは全部マイノリティ問題にくっつけて議論出来ますよ。
「マイノリティ問題と環境」→福永先生がやっていた、北米先住民と河川流域の環境問題とか
「マイノリティ問題と都市」→大都市には沢山のマイノリティのコミュニティがあります
「マイノリティ問題と消費」→マイノリティ文化はロハス商品に大量に流用されています
「マイノリティ問題と写真」→マイノリティが写真の中でいかに捉えられてきたかというテーマなら、博士論文まで余裕でいけます
「マイノリティ問題とNPO」→多くのマイノリティがNPO活動によって社会問題の解決に取り組んでいます
「マイノリティと宗教」→それぞれのマイノリティが伝統的な信仰を持っています
「マイノリティとサブカルチャー」→例えば漫画、アニメ、テレビゲーム、小説などには実在のマイノリティも架空のマイノリティもわんさか登場します。ブラックミュージックもアイリッシュミュージックも、アメリカ合衆国のマイノリティのサブカルチャーとして出発したものです。
いかがでしょうか? 殆どやりたい放題なくらいにどのテーマにも進出していけるのがマイノリティというテーマです。