1:趣旨説明
古来、日本列島の山林では、薪や炭にするための木々が育てられていました。稲城の里山も同様です。しかし、古老によれば、現在の稲城の里山にあるクヌギやコナラは育ちすぎているために、炭に焼くこともできないのだそうです。また、現在の稲城の里山の木々の樹高は、かつての稲城の里山の木々の2.5倍もあるそうです。こうして育ちすぎた里山の生態系はどんどん貧弱になっていきます。
何故、そんなことになってしまったのか? 1960年代に燃料革命が起こり、里山の木々に燃料としての価値が無くなってしまったからです。しかし今、里山の木々は再び燃料として見直されています。石油や石炭を採掘して燃やすのと違い、里山の木々は伐採して燃やしてしまっても、15年もすればまた燃料として使えるくらいに育つからです。里山の木々は無限に再生されるエネルギー源でもあるのです。
さて、稲城は今、緑に溢れています。公園の木々や街路樹、庭木、里山の木々は毎年毎年成長し、大きくなっています。これらは伐採したり剪定したりして、定期的に切ってやらなければいけません。とはいえ、そうやって切られた木や枝の使い途は限られています。チップにして公園に敷き詰めるということもやっていますが、それだけでは到底、稲城の膨大な木々の剪定枝を処理することは出来ません。
考えられるのは、稲城の木々を木質バイオマスエネルギーとして利用するという方法です。簡単に言えば、伐採した木や剪定した枝を燃やして熱エネルギーを取り出すのです。でも、どうやって? 私たちの家にはカマドも薪ストーブもありませんよね? そこで今回は、南山に限らず稲城の里山や街路樹から出る膨大な木質バイオマスをエネルギー源として利用する方法を、皆で考えてみることにしました。
果たして稲城の木々はウッドチップにして大きなボイラーで燃やしてしまうのが良いのか? 薪ストーブを普及させれば良いのか? ペレット製造プラントを設置してペレットストーブを広めるのが良いか? どんな話になるのでしょうか?
2:内容
1) 大場龍夫氏講演「木質バイオマス利用のいま」
2) 討論「稲城の木質バイオマスをいかに利用するか?」
2) 討論「稲城の木質バイオマスをいかに利用するか?」
大場龍夫氏プロフィール
電気通信大学電気通信学部通信工学科卒業。木材ガス化発電システム開発エンジニア、自然エネルギー導入コンサルティング会社勤務を経て2001年に日本初の森林バイオマス専門推進機関「株式会社 森のエネルギー研究所」設立。2007年には「株式会社 森のいいこと」を設立。森林資源の地域での活用に取り組む。NPO法人ソーシャル・イノベーション・ジャパン理事。
3:日時と会場
2010年2月20日 13時から17時まで
城山体験学習館 視聴覚室にて
城山体験学習館 視聴覚室にて
4:お問い合わせ
加藤晃生 wsinagi-2010@yahoo.co.jp