第2回「南山・何でも検証ワークショップ」速報

 本日、第2回ワークショップとして「里山コモンズ案」の検証を行いました。前回よりは少ない参加者でしたが、特に司会と「南山の自然を守る会」菊地会長の間で激しい論争が交わされました。詳細は報告書をお待ちいただきたいと思いますが、速報としては以下のようになります。

・「里山」「コモンズ」両概念の扱いは良い言い方をすれば多義的、悪い言い方をすれば極めて曖昧。
・上記両概念の定義が「南山の自然を守る会」でもきちんと出来ていないことは、「里山コモンズ住宅」の販売という局面では重大な弱点になるとの指摘が多数。
・「里山コモンズ」の実現と永続性の鍵になるのは地区計画および住民協定との認識で参加者が一致。
・地区計画については市内の新市街(向陽台・長峰・若葉台・堅台)より更に縛りのきついものを策定する方向で市が調整中。これについては都も極めて好意的な姿勢とのこと。
・住民協定策定については来月末に設置される(仮称)「協議会」が大きな役割を担うとの見方が市より示された。
・具体的位置については、まず0.5ヘクタール程度の緑地を奥畑谷戸公園に隣接して「NPO法人・南山の自然を守り育てる会」(既に設置認可済み)が買収し、「里山コモンズ」の中核とするとのこと。
・「里山コモンズ住宅」の有力候補地は上記緑地に隣接する街区および上記緑地の西側にある(現在の)尾根筋。ただし地権者との交渉はこれからなので断言は出来ない。
・「里山コモンズ住宅」の価格の一つの目安として「建物100平米から120平米、敷地60坪、100年間定期借地権」で3500万円からとの概算が示された。
・「里山コモンズ住宅」入居開始は最短で2015年中。
・「NPO法人・南山の自然を守り育てる会」菊地会長に加藤が「年内の里山コモンズ住宅購入希望者対象ワークショップの開始」を強く要求し、10月開始との返答を得た。
・公営墓地については稲城市と府中市の間の実務者協議が始まっている。樹木葬案については、実現に向けてボトルネックになるものは皆無であり、実現可能性は低くない。
・公営墓地用地のうち奥畑谷戸公園に隣接するかなり広い区域は当初の造成計画を変更し、ひとまず現況のまま保全することを市から組合に要請し了承された。

 全体的な印象として、「里山」「コモンズ」という概念を市民や消費者にいかに提示していくかという部分では極めて大きな不満が残るが、それ以外の部分については市・組合・地権者の協力を着実に獲得してきていると言える。この点は極めて高く評価出来る。

 加藤の個人的な感想としては、今後「里山コモンズ住宅」を実現していく上で、ある意味で理想主義的な菊地会長とは別に、営業に徹することが出来てなおかつ菊地会長と徹底的に喧嘩出来る「営業部長」的な人材が獲得出来るか否かが、事業の成否を大きく左右すると予想する。